ペダリングにおける引き足の意味

奥さんが初めて3本ローラー(お貸しいただきました住友輪業さん、ありがとうございます!!)をやってみるということで、久しぶりにビンディングシューズではなく、スニーカーでロードバイクに乗ったんですけどね。

20分ほど「手が離せないわ~」と言いながら練習した後に、こんなことを言ったんです。

「スニーカーやから、引き足が使えなくて踏みぎみになってしまったわ」

あぁ、引き足の意味をまだ理解できてなかったのね・・・

ということで、今回は引き足についての私なりの考察を書いてみます。

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引き足とは、ペダルを引き上げることではない!!

呼称が悪いのかもしれませんね。

私もビンディングペダルを使い始めたころ、ネットで引き足という言葉を見た時、ペダルを下死点から上死点まで引き上げることだと勘違いしてました。

「でも、実際に引き上げるようにしたら速くなった!!」

という人も多いと思います。

確かにそれも事実だと思います。

では、なぜ、そのように感じたかということを説明する前に、ロードバイクを速く走らせるためのアプローチの方法を考えてみます。

速くなるためのペダリングにおけるアプローチ方法は2つ

1.プラスの力を大きくする。

これはみなさんもすぐに理解できると思います。

単純により大きな力でペダリングをするだけです。

出力を上げるというやつですね。

がんばって坂トレ、筋トレをしてください。

2.マイナスの力を小さくする。

この考え方がピンとこない人が多いのではないでしょうか。

ペダリングをしている際に、自分でブレーキをかけている意識はないですからね。

ペダリングは円運動なわけですが、人間の足は円運動に向いていないんです。

日常動作にはない動きをするので、慣れていないんですよね。

なので、いろいろなところでロスが生じているわけです。

主には以下のような点でしょうか。

・3時の位置を過ぎてからのパワー伝達効率の悪いパートでのごり踏み。

・上死点での引っかかり。

・下死点から上死点までのペダルに乗る足の重さ。

このようなマイナスが積み重なって、せっかく出力したパワーが削られていくわけです。

いくらほど削られたかの参考値になるのが、「ペダリング効率」ということになります。

引き足に関係するのは、主に「下死点から上死点までのペダルに乗る足の重さ」です。

上死点での動作にも影響はしますが、それはのちほど。

バックを踏む

という言葉を聞いたことはありませんでしょうか。

欲張り朝練で参加者の方からペダリングについての質問を受けた際、住友さんがおっしゃってたキーワードなんですけどね。

これは「下死点から上死点まで移動するペダルの上に自重がかかった状態」のことを表した言葉です。

人間は意識しないと足を引き上げる動作なんてしないんですよ。

足を押し下げる動作はできますけどね。

なので、「足を自分で引き上げる」意識をもって、円運動するペダルの0.01cm上を空中移動させる気持ちでペダリングをしてあげないと、余計な重さがペダルにかかってしまうんです。

ペダリングは片足が下がっていき(踏む側)、もう片足は上がっていく(引く側)わけですが、どちらにも下がろうとする力がかかることになると踏む側の下がる力が相殺されてしまうんですね。

なので、進む力に変換されないパワーを発生させてしまう。

バックを踏むことは、ペダリング効率を悪化させてしまうわけです。

バックを踏まないようにするにはどうすればよいか

先に書いていますが

足を自分で引き上げる」意識をもって、円運動するペダルの0.01cm上を空中移動させる気持ちでペダリングを行う。

これが重要です。

そして、この動作こそが私の考える「引き足」という動作になります。

引き足とは、ペダリングの邪魔をしないことである

そうなんです。

引き足という動作に、「ペダルを引き上げる」という動作は含まれていないんです。

あくまで、ペダルが上がってくるのを邪魔しないだけです。

「ペダルを引き上げる」という動作は、反対側の足が行っている「ペダルを押し下げる」というパワーに勝つことができないんですね。

重力と自重を味方にできる「ペダルを押し下げる」という動作と、重力と自重を敵にする「ペダルを引き上げる」という動作だとどちらが有利かは歴然ですよね。

そして、ペダリングにおける最大出力値というのは、どちらかの足で発生する最大出力値とイコールになるわけです。

双方の足で発生した出力値の和ではないんですね。

なので、「ペダルを引き上げる」という動作は、そもそも無駄ということになります。

「ペダルを押し下げる」力に負けるわけですから。

公開時点から取り消し線を入れる暴挙ですが、私の認識が間違っていました。

気になったので、2時間ほどグーグル先生に問うてみたのですが、よき回答が見つからず・・・

これは仲間に聞いてみるしかないと思い、KOBE Rouadies Communityの面々に質問してみたところ、ペダリングの出力値は、踏み足と引き足によって発生するトルクの和だろうとのことでした。

ただし、引き足によって発生可能なトルクはたかが知れているとのこと。

パワーメーター所持者のアールさんからのコメントなので間違いないでしょう。

そして、引き足でトルクを発生させるぐらいがんばってしまうと筋肉を疲労させてしまい、結果的に遅くなるとは住友輪業さんのご意見。

他にもlimo君からは、トルク変動をなるべく減らし、疲労を最小化するために引き足でアシストをして、きれいな円運動を行うべきという意見もありました。

また、ちょろりゅう教官が教えてくれたこんな理論も。

「シューズのソールは力を逃がさないために上位グレードほど硬いですよね。もしペダルを引き上げることが重要ならばアッパー部分も力が逃げないように硬くしないといけないはず。」

うむ、確かに。

奥さんはこのコメントに一番うなずいておりました。

総括。

・トルクを発生させるほどペダルを引き上げる必要はない。

・それよりもペダリングを邪魔しないことに注力すべき。

・きれいな円運動ができれば最高。

と言ったところでしょうか。

ここまで説明してきた内容を聞くと、冒頭の小話にあったビンディングペダルを履かないことで引き足が使えないっていうのはおかしいと感じていただけるのではないかと思います。

そして、新たな疑問が生まれるんですよね。

それがこちら。

ビンディングペダルは不要!?

ロードバイクに関するサイトを巡っていると、たまに見かける「ビンディングペダル不要論」です。

確かに「引き足」に関して言えば、不要だと私も思います。

だからと言って、ビンディングペダルが不要かと言われたら、それは違います。

本当に不要なら、ツール・ド・フランスなどのトップカテゴリーで走っているプロ選手たちが1人の例外もなくビンディングペダルを使用している現状の説明が付きません。

必要だからこそ、使っているんです。

では、なぜ必要なのかというと「ペダルを踏み外さないため」です。

ビンディングペダルを使用する意味は、これがすべてだと思います。

ロードバイクで走行する路面は、いつでもどこでもきれいなアスファルトの上というわけではありません。

マンホールがくぼんでいるところを乗り越えていくこともあれば、轍を乗り越えることもあります。

普通にしていても、ペダルと足が離れてしまうシチュエーションは意外に多いものです。

高速域で展開するレースになれば、尚の事。

ペダルを踏む際、母指球付近で踏むことが重要になりますが、この位置がしょっちゅう移動してしまうと安定的に踏めないですよね。

最悪、ペダルを踏みにいこうとしたときに足の位置がずれてしまうと、そのままペダルから足が外れた状態で踏み抜いてしまい、バランスを崩して危険な状況に陥ることもあるかもしれません。

そういったリスクをなくすためのビンディングペダルです。

引き足を使うためのものではない」ということですね。

そういう意味では、ビンディングペダルは高価なものは必要ないかもしれません。


シマノ SPD SLペダル PD-R540-LA(ライトアクション) ブラック EPDR540LA

これぐらいのグレードでも十分効果はあるのではないでしょうか。

レースで本気で勝ちたいという思いがあるのであれば、デュラエースになりますけどね。


シマノ DURA-ACE デュラエース R9100シリーズ ペダル PD-R9100 33604

軽さ、回転の摩擦の少なさなど、高次元の領域でレベルが違います。

引き足を実現する方法は?

話が逸れましたが、引き足の話に戻りまして。

では、「理屈は分かったから、どうやってやればいいんだよ!?」といったところですが、それはズバリ。

ふとももを上げる

これです。

これ以外ありません。

ペダリングのすべてです。

以前に書いたこちらの記事にちょろりゅうさんがコメントで教えてくださった動画が参考になります。

17分過ぎからのサガンのペダリング。

ふとももがお腹に付くぐらいしっかり上がってます。

そして、回転が美しぎる。

きれいに回転しているということは、どこにもマイナスの力がかかっていないということです。

下死点から引き上げてくる際、足首がつま先に向かって下がってますよね?

そして、つま先がペダルにくっついているような状態になっています。

要は、下死点から上死点に向けて、ふとももを上げることで、足を引き上げているということです。

そして、しっかりとふとももを上げることにより、上死点でもつま先が下がり、足首が高い位置をキープしています。

これにより、上死点でのつっかかりもクリアしているんですね。

ふとももを上げることで、ロスになる動きを2つも解消できるわけです。

あとは誰にでもできる踏む側だけの問題ですので、ふとももを上げるという動作は、ペダリングの難しい点をほとんど解消してくれる重要なポイントということです。

踏み足については、また書いてみます。

まとめ

・ペダルが上がってくるのを邪魔しないための引き足が重要。

・トルクを発生させる引き足は不要。

・実現するには、ふとももをしっかりと上げてペダリングすること。

ロードバイクに乗る際、少しでも意識してみてはいかがでしょうか。

「引き足」、実に奥深いです。

引き足、踏み足についての関連記事はこちら。

住友輪業プレゼンツ 第8回欲張り朝練【ペダルを1時で踏む練】

住友輪業プレゼンツ 第8回欲張り朝練 【ハイケイデンス練】

実力者が発する言葉の意味を考えること


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コメント

  1. ちょろりゅう より:

    ロードバイクってなんて奥が深い事ばかりなんだろう…。

    だから面白い‼︎o(^-^)o

    僕、PIST持ってるんですけど固定ギアなんで走り出したら勝手にペダルが廻っちゃう‼︎
    チェーンリングの6時〜12時に住友輪業さんが言うバックを踏むとそれこそブレーキがかかる状態に。(実際には止まる程減速はしないけど。)
    抜重ペダリングの練習には最適ですよ‼︎
    今度体験してみます?(*^^*)
    ちゃんとブレーキは付いてますよ。

    • AKIRA より:

      本当にロードバイクっておもしろいですよね~
      理論を追求するのが好きな人なら、確実にはまると思うんですけど(笑)

      PISTはトレーニングにいいって聞いたことがあります。
      バックを踏まないようにして、回転力を養うのに最適なんでしょうね。

      また、機会があるときに試させてくださいませ♪