【ロードバイク】タイヤの空気圧を適正下限値より低くすることのリスクについて

近年、ロードバイクのタイヤの適正空気圧について、高圧であればよく転がるという考え方は覆されました。

 

ライダーの体重+ロードバイクの重量が軽ければ適正空気圧は低くなり、重くなれば適正空気圧は高くなることが分かってきました。

 

インピーダンス損失という概念が存在し、高すぎる空気圧は転がり抵抗を悪化させるというのが概要です。

 

詳しくは、以下のリンク先の記事を参照ください。

 

 

ここで、1つ、疑問が生まれます。

 

体重55kgを切るような軽量ライダーの方の場合、適正空気圧はかなり低くなってしまい、タイヤの適正空気圧の下限値を割ってしまうのではないか?

 

実際、上記リンク先の記事の考え方で割り出される体重40kg台の方の適正空気圧は、4Bar台に突入する計算になってしまいます。

 

一般的なロードバイク用クリンチャータイヤの適正空気圧の下限値は、6Barぐらいまでが多いです。

 

私が知る限り、もっとも低い適正空気圧下限値が設定されているのは、ミシュランのパワーコンペティションで、5Barでした。

 

4Bar台が適正空気圧と想定される軽量ライダーは、タイヤに設定されている適正空気圧下限値以下の空気圧で乗っても問題ないのか?

 

各タイヤメーカーの方に問い合わせた結果を元に、解説してみたいと思います。

 

先に、結論を申し上げると、タイヤの適正空気圧の範囲外で乗らない方がよいと思われます。

 

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タイヤの空気圧が、適正空気圧を下回った場合のリスクについて

 

先に書きましたが、空気圧は高過ぎない方がいいという事実は広く知られることとなったように思います。

 

それゆえの弊害として、乗り心地がよければ、下限値を下回る低圧の空気圧で乗る方も増えているのではないかと予測されます。

 

最近、5Bar台の空気圧で乗っていますという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

かくいう私もコンチネンタルのGP4000S2で、フロント5.5Barとか試したことがあります。

 

軽量ライダーの場合は、路面からの衝撃が緩和されますし、しっかりと接地しながら転がってくれるので乗り心地はよくなる気がします。

 

しかし、冒頭にも書いた疑問がふと頭によぎりました。

 

タイヤに刻印されている適正空気圧の範囲外だけど問題ないのだろうか?

 

疑問に思ったことはほっておけない性格なので、ロードバイク用タイヤを製造している4大メーカーに問い合わせをしてみました。

 

回答をいただけくことができた2メーカーの回答内容に関する記事が、以下のリンク先の内容です。

 

 

ヴィットリア、シュワルベともに、下限値を下回る空気圧では走らないでくださいという内容でした。

 

この回答をいただいてから、私は、フロント6.5Barのリア7Barで乗るようにしています。

 

タイヤの空気圧が低すぎることで発生するトラブルとして、広く認識されているのはリム打ちパンクです。

 

「空気圧が低くタイヤが柔らかめ+段差に勢いよく突っ込んだ」というような状況で、インナーチューブに強い衝撃が加わり、2か所穴があいてしまうことで発生するパンクです。

 

2か所の穴が、蛇に咬まれたように見えることからスネークバイトとも呼ばれます。

 

いきなり爆音がして、タイヤの空気が一瞬で抜けてしまいますので、発生状況によっては危険です。

 

しかし、ベコベコになってしまうとはいえ、タイヤはホイールに装着された状態で残ります。

 

それよりも恐ろしいリスクがあると、前述の両メーカーさんが指摘されています。

 

それがタイヤが外れる可能性がありますという内容です。

 

走行中にタイヤが外れたら、大怪我してもおかしくありません。

 

ダウンヒル中に起これば、命の危険すらあります。

 

実際のところ、「低圧で乗っているけど、タイヤが外れるなんて大事件、起こったことがないよ?」という方がほとんどだと思います。

 

しかし、メーカーはそのリスクがあるから空気圧の上下限値は守ってくださいと公言しているのだと思います。

 

そのように表現されているかは定かではないですが、いわゆる「動作保証外」というやつではないかと思います。

 

タイヤの適正空気圧範囲外での運用は、動作保証外?

 

私、システム屋をやっておりまして、パッケージソフトの制作・販売にも関わっているので、動作保証外というキーワードを頻繁に耳にします。

 

動作保証外の意味ですが、ストレート&フランクな表現をしますと、こういう意味になります。

 

こちらが指定した使い方以外は、一切テストしてないから、たまたまうまいこと使えたとしても何が起こるか分からんよ?そこのところ、よろしく!!

 

よく使われる「自己責任でお願いします」も同義ですね。

 

要は、動作保証外というのは、指定された環境・使い方以外では、一切テストしていませんので責任持てませんよという意味です。

 

パソコンの世界であれば、Windows10向けに開発したソフトをWindows10のみ動作検証を行って販売する場合、Windows10だけが動作保証内になります。

 

Windows8やWindows7にインストールして使おうとする場合、動作保証外になります。

 

しかし、いちかばちかでWindows8にインストールしてみると動作するかもしれません。

 

簡易なソフトウェアであれば、動作する可能性の方が高いかもしれません。

 

「なんだ、動作保証外でも使えるじゃない」と継続使用していたところ、ある操作を行った時にだけ、Windowsがクラッシュするような重大なエラーが発生した場合、どうなるでしょう?

 

そのソフトの販売元に問い合わせても「Windows7は動作保証外なんで・・・」の一言で終了です。

 

パソコンがクラッシュして、使い物にならなくなったとしても、それは自己責任でやったことですよね?ということです。

 

どれだけ修正してほしい、使えるようにしてほしい、壊れたパソコンを弁償してほしいと訴えたところで、門前払いされます。

 

それが、動作保証外で使用するということです。

 

パソコンは1台10万円ぐらいの損失で済みますが、ロードバイクのタイヤの場合はどうでしょう?

 

普段、空気圧の下限値を下回る低圧で走行していて問題がなくても、高速ダウンヒルからのハードブレーキング時に、たまたま、タイヤが外れたら?

 

命を落とす可能性、十分にあります。

 

ということを考えていたら、急に怖くなりまして、空気圧の下限値は守ろうと思いなおした次第です。

 

他にもあるロードバイクに関する動作保証外

 

他に思いつく動作保証外の内容はこんなところでしょうか?

 

・カーボンリムのリムブレーキ車にラテックスチューブを使用する

・C17のホイールに23Cのタイヤを使用する

・Dedaのステムに他社のハンドルを使用する

 

他にもいろいろとあるとは思いますが・・・

 

カーボンリムホイールのリムブレーキ車にラテックスチューブを使用するのは危険

 

カーボンリムのホイールにラテックスチューブを合わせるのは危険と言われています。

 

ディスクブレーキであれば問題ないわけですが、リムブレーキの場合は、ブレーキング時に発生する高熱でラテックスチューブが溶けてしまう可能性があるらしく、バーストする可能性があります。

 

特に、カーボンリムは放熱性が低いため、ブレーキングで高熱になった後、なかなか熱が逃げないためにリスクが高くなるとのこと。

 

ダウンヒル時のブレーキ連続使用などが1番危険そうですね。

 

テクニカルなコースでのレース時におけるハードブレーキングの頻回使用もリスクが高まりそうです。

 

C17のホイールに23Cタイヤは使えるか?

 

C17のホイールは、25Cタイヤを使用することを前提として設計されています。

 

厳密には、使用可能なタイヤ幅は、リム内幅x 1.4 ~ 2.4とされているようです。

 

C17ホイール = 17mmリムに履かせることができるタイヤ幅の下限は、17×1.4=23.8mmになります。

 

タイヤ幅が23mmの23Cタイヤは、使用可能なタイヤ幅の下限値を下回りますので、おすすめできないということになります。

 

リスクとしては、想定よりも細いタイヤということになるので、ビードが外れやすくなる確率が高くなりそうです。

 

ハードブレーキング時や高速コーナリング時に危ない可能性があります。

 

上限は、17×2.4=40.8mmになります。

 

2020年時点では、ロードバイク用のタイヤでもっとも太い部類でも32mm程度と思われますので、こちらは対応可能です。

 

最後に

 

事故・落車のリスクを減らせるよう、さまざまな知識を蓄えつつ、実践していけたらと思う今日この頃です。

 

ロードバイクのタイヤに関係する記事を他にアップしていますので、ぜひ、読んでみてください。

 

 

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