ロードバイクにおける脚質について思うこと

「スプリントが得意だからスプリンタータイプかな」

「ロングライドが比較的得意だから、ルーラーかな?」

 

1年以上の経験があるロードバイク乗りのみなさんは、脚質に関する会話を交わしたことがあるのではないかと思います。

 

例に違わず、私もそのような会話をしたことがあります。

 

私自身は、自分の脚質を「パンチャーかな?」と答えることがほとんどです。

 

本当は、オールダメンダーと回答したいところですがw

 

オールダメンダーという脚質は存在しないので、消去法的に残ったのがパンチャーといった感じ。

 

ところが、私自身が感じているここ数か月の変化をきっかけに、ホビーライダーが脚質を語ることに意味はないのでは?と思うようになりました。

 

ホビーライダーが脚質の話なんかするなよ!!という話をしたいわけではありません。

 

脚質という固定観念を持つことで、自身の可能性を否定するのはもったいないのでは?という話をしてみたいと思います。

 

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ロードバイクにおける脚質についてのおさらい

 

私の考えをお話する前に、ロードバイク界の脚質にはどのような種類があるのかをおさらいです。

 

・スプリンター

・パンチャー

・ルーラー

・クライマー

・オールラウンダー

・TTスペシャリスト

 

6つの脚質がオーソドックスな定義ですね。

 

各脚質についての簡単な解説。

 

スプリンター

 

ごく短時間(ゴール直前の1分足らずの間)の最大パワーと瞬発力が爆発的に強いタイプ。

平坦路での千切りあいの場面において、とんでもない加速力であっという間に視界から消えていくような人たち。

細身の方よりもマッチョ系重量級の選手が多い印象。

それゆえにヒルクライムは苦手。

また、長時間継続的に速めのスピードで走るのも苦手。

一瞬輝くゴールハンター。

ピュアスプリンターは、日本にはいないとも言われていますね。

マルセル・キッテル、フェルナンド・ガビリア、エリア・ヴィヴィアーニなどが代表選手。

 

パンチャー

 

スプリンターと比べると一瞬のパワーは劣るものの、瞬発力があり、幾度となくアタックをかけることができる文字通りパンチ力のあるタイプ。

細かいアップダウンが続くような変化に富むコースに強い。

また、短い激坂なども得意とする。

日本でスプリンターと呼ばれる方は、ほとんどがパンチャーらしいです。

代表選手は、ペテル・サガンや新城幸也など。

 

ルーラー

 

スプリンターやパンチャーのような瞬発力や最大パワーはないものの、長距離を一定の高速ペースで走ることを得意とするタイプ。

決定力に欠けるため、アシストとして活躍することが多い。

実は、ホビーライダーが1番あこがれるタイプなのではないかと思ったりもします。

ロングライドの平均速度が速くなりたいという方、多いでしょう?

代表選手は、鉄人アダム・ハンセンさんや別府史之など。

 

クライマー

 

ヒルクライムがバカ速いタイプ。

登坂は軽量であることが有利に働くため、細身が多い。

長い距離のヒルクライムで輝くが、平坦路を不得意とすることが多く、決定力にも欠ける。

山が多く、平坦の快走路が少ない日本では、クライマーもあこがれの脚質かもしれません。

代表選手は、キンタナ村長、ラファウ・マイカなど。

 

オールラウンダー

 

何をやらせても速いタイプ。

と、思ってしまいがちですが、オールラウンダーにスプリントが強いという選手は少ないように思います。(グランツールなどの暗黙の了解で、総合優勝狙いの選手はスプリント決着が予想されるステージの優勝は獲りにいかないというのも要因かもしれません)

クライマー+TTスペシャリスト=オールラウンダーという印象。

代表選手は、クリス・フルーム、ヴィンチェンツォ・ニバリ、トム・デュムランなど。

 

TTスペシャリスト

 

タイムトライアルスペシャリスト。

ルーラーに似ていますが、独走力が特に優れているタイプ。

個人の走破タイムを競うタイムトライアルに強い。

ルーラーの平坦高速巡行特化型のようなイメージです。

代表選手は、トニー・マルティン、ファビアン・カンチェラーラなど。

 

さて、あなたはどのタイプ?

 

と問われれば、消去法的にどのタイプかを選択する方がほとんどではないでしょうか?

 

坂が苦手だからクライマーやパンチャーではないな、スプリントは仲間内の中でも強い方だからスプリンターかな?

 

とか

 

1人で速いスピードを維持し続けるのは苦手だから、ルーラーやTTスペシャリストではないな。

 

とか

 

レースは不得意だけど、ソロでのロングライドは苦にならないからルーラーかな?

 

など

 

現時点で不得意な分野から消去していき、残った脚質を選択される方は多いと思います。

 

ですが、一度、自分の脚質をぼんやりとでも決めてしまうと恐ろしいことが起こる可能性があるんですよね・・・

 

脚質を理由に、努力することを避けがちになるかも?

 

私の場合は、これに見事にハマりましたw

 

私、自他ともに認める平坦おじさんでした。

 

「平坦はあんな速いのに、なんでヒルクライムそんな遅いん!?」と言われたこと数知れずwww

 

自分でも不思議なぐらいにヒルクライムが遅かったです。

 

ただ、200mぐらいの短い激坂などは意外に速かったんですよ。

 

なので、私は自分の脚質をパンチャーかな?と判断していました。

 

するとですよ、自分が苦手でしんどいという理由もあるのですが、坂練を避けるようになりました。

 

「脚質がパンチャーだから、ヒルクライムは速くなれないだろう」という気持ちが強くなってしまったんですね。

 

苦手、しんどい、成果が出ないだろうでは、練習するわけないですねw

 

自身で得意と思っている平坦練ばかりするようになりました。

 

当然、いつまでも苦手な坂は速くならないまま・・・

 

脚質という固定観念に縛られたよろしくない典型例のような気がします。

 

ところが、ある日、なぜだか分かりませんが、ヒルクライムの楽しさに目覚めたんです。

 

もちろん、坂が苦手なままですが・・・

 

苦手=方法論が間違っていただけというパターンは多いかも?

 

苦手意識はあったものの、ヒルクライムの楽しさに目覚めた私、折角なので速くなるための研究と実験をしてみようと考えました。

 

まずは、オーソドックスに減量ですね。

 

こちらは、大体6kgぐらいの減量に成功しました。

 

そして、なぜ、ヒルクライムがキツいと感じるのか?を考えてみました。

 

すると、苦しい原因は太腿の前側(大腿四頭筋)がすぐに痛くなり、そのしんどさが呼吸にも波及して息苦しくなってつらくなっているのでは?という結論に達しました。

 

そこで、太腿の前側が痛くならないように全意識を集中してペダリングをするようにしました。

 

すると、2か月後には、以前のようなつらさを感じなくなってきました。

 

私の地元、六甲山のヒルクライムコースである再度山&西六甲をほぼ連続で走っても、双方ともベストタイムで走れるようになるまで改善したんです。

 

以前であれば、再度山のベストタイムを出したら、西六甲は使い物にならないというのが常だったのですが、今では、西六甲もペースを維持することができるようになったというのは、大きな進歩でした。

 

何が言いたいかというと、私が脚質的に合わないと思っていたヒルクライム、普通にこなせたやんということです、やり方を間違えなければ!!

 

脚質は生まれ持っての個性みたいなものです。

 

私の場合は、ただ、坂を速く走る方法を正しく理解できておらず、身体を動かせていなかっただけ。

 

脚質の問題じゃなかったというお話。

 

脚質は、すべての分野に対して努力した者だけに見えてくるもの

 

ということではないかと思います。

 

私がいい例ですね。

 

以前:平坦〇、スプリント〇、ヒルクライム×

現在:平坦〇、スプリント△、ヒルクライム△

※当社比

 

ヒルクライムは人並みぐらいにこなせるようになりましたが、スプリントは弱くなりました。

 

なぜかというと、練習のメインがヒルクライムになったから。

 

最近、スプリントなんてしませんw

 

スプリント練の数が減ったので、弱くなるのは当たり前。

 

今の私がパンチャーだなんてとてもじゃないですけど言えないですw

 

昨日も、夜練メンバーにフルボッコにされましたしwww

 

逆に、昔はヒルクライムでフルボッコにされていたのが、そこそこ渡り合えるようになってきているという現状。

 

各分野、強くなりたければ、それ相応の練習、努力が必要ということでしょう。

 

ホビーライダーレベルでは、時間の制約もありますので、練習に割ける時間は特定の分野に偏る傾向にあるように思います。

 

練習した分野=得意分野=脚質となることが多いのではないでしょうか?

 

しかし、本当の意味での脚質というのは、全分野に練習の時間を割き、努力した結果、この分野は優れている、劣っているが分かった時点で判断できるものではないかと思います。

 

ですので、我々ホビーライダーは脚質なんて考えず、なりたい自分になるための正しい努力をすればいいのでは?と、最近思うようになりましたというお話でした。

 

脚質は、初対面の方に自分の走りの特徴を分かりやすく伝えるために使う程度にしておくのがよいのかもしれません。

 

自分の可能性の枠を狭めず、様々なことにトライしていきたいものですね。

 

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