ロードバイクに乗り始めると、真っ先にトライしてみたくなるのがビンディングペダル。
私も真っ先にカスタマイズパーツとして導入したのは、ビンディングペダルでした。
しかし、ビンディングペダルを導入するに当たって、どうしても躊躇してしまう原因となるのが「立ちゴケ」
ビンディングペダルは、ビンディングシューズと固定することによって、ペダリングを安定させる効果がありますが、その機構ゆえに信号等での停止の際、ビンディングを外す必要があります。
ビンディングを外す際に、うまく外れなかったりするとそのままコケてしまいます。
これが「立ちゴケ」と言われる、世の中の9割以上のローディーが経験する事案なわけです。
できうる限り立ちゴケは回避したいもの。
私が意識している手順をお手製動画を見ながら、解説したいと思います。
立ちゴケを防止するために意識すべきポイントとは?
ビンディングペダルを外すという動作を具体的に説明すると、「かかとを内側から外側にひねる」だけです。
普通に生活している中ではなかなか行うことがない動作なので、慣れが必要なのは確かなのですが、簡単かつ安全に外すためには、以下の2点がポイントになります。
1.ビンディングを外す足
2.ビンディングを外す場所
ビンディングを外すべきは右足?左足??
ずばり、「軸足」です。
ボールを蹴る動作の際、蹴る足とは反対側の足ですね。
軸足側のビンディングを外し、停止に備えるのが正解。
よく見聞きする「日本の交通ルール上、信号停止の際に右側に車が走行することになるため、右に転倒することは絶対に避けないといけないから左足を外すべき(右足とする考え方もあります)」という論法も分かるのですが、片足立ちでバランスを取れるということが最優先。
バランスを取ることに慣れているのは「軸足」ですので、軸足側を外すことを推奨します。
大体の方は軸足が左足になると思いますが、軸足が右足の方は、右足を外せばいいんです。
無理に左足に合わせる必要性はないでしょう。コケないことが重要なんですから。
両足を外すべきという考え方もあるようですが、ビンディングを外した後にペダリングをしたいというシチュエーションもありますので、片足は嵌めたままの方がよいと思います。
※念のために言っておきますが、いざという時のために、利き足側も外せるように練習しておくことは大事です。
ビンディングを外す場所は、ペダルがどこに位置する時が最適か?
これも、世の中ではいくつか意見が分かれるところみたいです。
よく見聞きするのは「上死点」とする意見と「下死点」とする意見。
私は、「下死点」で外すべきと考えます。
やってみていただければ分かると思うのですが、上死点で外すのは窮屈で力が入りにくく、バランスを崩しやすいです。
これが上死点で外した時の動画。
これが下死点で外した時の動画。
上死点で外した時の動画の方が、車体がブレているのが分かりますか?
力を入れにくい体勢で無理やり足をひねっているので、バランスがくずれてしまっています。
下死点で外した時の動画の方が、明らかに安定しており、容易に外しているように見えると思います。
上死点で外す派の人は、そのまま左足を着地しにいきやすいという理由だとは思いますが、安全性を取るなら下死点で外す方がよいと思います。
ビンディングを外す際の6つの手順
先に紹介した2つのポイントを踏まえて、ビンディングを外すという一連の動作を考えてみましょう。
1.シフトダウンする
2.軸足を下死点に移動する
3.ビンディングを外す
4.利き足を前に半回転させ、利き足を下死点に移動する
5.利き足でサドルから立ち上がり、左に着地できるように準備する
6.着地
1.シフトダウンする
これは、停止状態から漕ぎだしを楽にするという意図もありますが、手順4の「利き足を前に半回転させ、利き足を下死点に移動する」際に重いギアを選択していると半回転させにくいという理由によります。
重いギアで半回転させようとすると、停止しようとしているのに、大きな推進力を発生させてしまうことになります。
停止したい位置までに余裕があれば対処も可能ですが、近い位置に停止したい場合は致命傷になりかねません。
ですので、軽いギアにしておき、半回転させても小さな推進力で済むように対処しておくことが大切です。
「前ではなく後ろに回せばいいのでは?」という意見もあるかと思いますが、チェーンが落ちるリスクがあるので、あまりお勧めしません。
2.軸足を下死点に移動する。
これは先に紹介した2つのポイントを踏まえた準備動作ですね。
軸足で外すこと、下死点で外すことを実現するために、軸足を下死点に移動するようにします。
3.ビンディングを外す
停止予定位置よりもだいぶ前の時点で外しておきましょう。
不測の事態が起こった時のことも考えると、ぎりぎりのタイミングで外すのはお勧めできません。
グループライドでは、前走者が停止するタイミングが自分の予想と異なることが多いです。
自分の予想より早くに停止されても対応できるように、早めに外しておくことをお勧めします。
4.利き足を前に半回転させ、利き足を下死点に移動する
安定した状態で停止するには、着地前の体勢作りが大事です。
軸足側に車体を倒すことになるので、その加減を調整するために、利き足に体重をかけることになります。
利き足にかける体重を調整するには、利き足が下死点にある方が調整しやすいため、利き足側のクランクを前に半回転させ、利き足を下死点に移動します。
先に書きましたが、クランクを逆回転させるのは避けた方がよいと思います。
チェーン落ちの原因になりますので。
5.利き足でサドルから立ち上がり、左に着地できるように準備する
いよいよランディングです。
ロードバイクは、サドル高が高くセッティングされているため、座ったまま停止することは困難です。
ですので、停止前に利き足でペダルの上に立ちましょう。
そして、利き足側に倒れないようにバランスを取りながら、停止したい位置まで移動します。
6.着地
着地の際は、ほぼ停止状態と言えるスピードになってから、ふんわりと着地しましょう。
スピードが残っている状態で着地しようとすると、バランスを崩しやすいですし、クリートが削れます。
私は、スピードが0km/hになってから、軸足側に体を倒して着地するようにしています。
一連の動作をお手製動画でチェック
軸足側からの動画
利き足側からの動画
正面からの動画
これでも、自分の中ではゆっくりと外したつもりなんですけどね(^_^;)
意外に早いな・・・
手順4の、クランクを前に半回転させるスピードが相当早いことが分かると思います。
これぐらい軽いギアに変速しておくべきということです。
ビンディングが固すぎて外せないという方はこちらをチェック
シマノのビンディングの話になりますが、固さを調節することが可能です。
固さが一番固くなっていないかをチェックしてみてください。
ペダルの後部に、上の画像のような箇所があります。
この真ん中の銀色の部分が一番上にきていれば、最弱(緩い)設定です。
一番下にきていれば最強(固い)設定です。
固すぎてなかなか外れないという方は、一番下にきていないかを確認してください。
固いセッティングになっているようであれば、ペダル後部の上の画像位置に調整箇所がありますので、2.5mmの六角(アーレンキー)をさして、マイナス方向に回してください。
これで、少しはマシになると思います。
ビンディングペダルは、早めに導入しましょう。
ということで、ビンディングペダル導入時の鬼門となる、立ちごけを回避するためのポイントを解説してみました。
ロードバイクを続けていこうと思われている初心者の方は、尻込みせずに早くビンディングペダルを導入することをお勧めします。
ビンディングは、導入しなければいつまでたっても慣れることはありません。
経験を積むしかないんです。
最初は比較的簡単に着脱のできるペダルからでもいいと思います。
シマノ SPD SLペダル PD-R540-LA(ライトアクション) ブラック EPDR540LA
こういうエントリーモデルですね。お値段も4000円ぐらいとお手頃ですし。
SPD-SLにこだわらなくてもSPDペダルでもいいでしょうしね。
間違いなく、フラットペダルより楽に漕げるようになると思いますので、導入してみましょう。
そして、立ちゴケの回避に当記事がお役に立てれば幸いです。
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