通信環境やバーチャル技術の革新により、室内トレーニング環境が充実してきた昨今、ロードバイク業界にも大きな波がやってきました。
スマートトレーナー+Zwiftによるバーチャルライド、トレーニング環境の拡大・浸透です。
今まで、ローラー台によるトレーニングに見向きもしなかった人をも取り込み、メンバー数は劇的に増加していると思われます。
周囲でも、Zwiftを始めましたというロードバイク乗りの方が増えているのではないでしょうか?
ミートアップというキーワードを聞くことも多くなったように感じます。
ミートアップとは、Web上で開催の告知が行われ、参加者が集まるイベントのことです。
ロードバイクにおいては、Zwift内でのライドイベントを指すことが多いです。
主催者が決めた時間に、みんなでログインしてレースやトレーニングライドを一緒に楽しみましょうということです。
外でのライドをソロライドに制限されている現状において、大変楽しそうなライドイベントがバーチャルで行われているわけです。
「私もZwiftのミートアップに参加したい!!」という方も多いのではないかと思います。
Zwiftを利用するためには、Zwiftに対応したローラー台とZwiftアプリを起動できる環境が必要です。
Zwiftアプリの起動環境については、PCといくつかの周辺機器と通信環境が揃えば問題ありません。
問題は、ローラー台の選定です。
ローラー台は、さまざまな種類のものが販売されています。
数千円の安いローラー台を用意しただけでは、Zwiftを楽しむことができないかもしれません。
当記事では、Zwiftに対応したローラー台の選定について、私がXplova NOZAを選択した理由をお伝えしてみたいと思います。
Zwiftを楽しむためのローラー台選定作業において、考慮すべき9つのポイント
1.Zwift対応か
2.静音性が高いか
3.固定ローラーか、3本ローラーか
4.ダイレクトドライブか、タイヤドライブか
5.負荷連動機能があるか
6.最大出力、最大シミュレーション傾斜
7.パワー測定の精度
8.トラブル、不具合が多いか
9.サポートの対応
10.価格
結局、何がいいたいかというと、すべての評価ポイントについて、NOZAは優秀だったので選びましたという話です。
Zwift対応のローラー台か?
Zwiftを楽しみたいのであれば、Zwift対応のローラー台であることが大前提になります。
AmazonなどのECサイトでは、製品説明にZwift対応可能であれば、その表示・説明が書かれています。
出典 – xplova Noza Amazon
また、ZWIFT公式サイトには、対応可能なローラー一覧が用意されています。
世の中にこれほどの数のローラーが存在したのかと驚きますが、おそらく、購入を検討されているローラーも一覧に記載があるかと思います。
ちなみに、エリート Volanoのようなダイレクトドライブ式ですが、製品としてはZWIFTに対応していない、しかし、オプション品を購入しアタッチすることでZWIFT対応可能となるようなローラーも記載があります。
かなり親切な一覧となっていますので、一度、チェックしてみてください。
ダイレクトドライブ式、タイヤドライブ式、ローラー台別のZwift公式ページは以下のリンクから。
ダイレクトドライブタイプのトレーナー対応一覧 – ZWIFT
最悪、パワーメーターを所有されている方は、どのようなローラー台であってもZWIFTを楽しむことができるようです。
パワーメーターを所有されていない方、ZWIFTを複数のロードバイク(家族で楽しむなど)で楽しみたい方は、ZWIFT対応のローラーから選択する方が最終的なコストは抑えられますし、運用も楽になるのではないかと思います。
私が購入した Xplova NOZAは、もちろんのことながら、ZWIFT対応です。
静粛性能が高いか
室内トレーニングの最大の敵は、ローラー台から発生する騒音問題です。
マンションなどの集合住宅に住んでいる場合、最優先するべき項目になるかと思います。
静音性の低いローラー台を購入してしまうと、上下左右のお部屋から壁ドン、床ドン、天井ドン、あるいは、玄関凸を喰らう可能性が高くなり、せっかく購入したローラー台を使うことができなかったという笑えない悲劇を引き起こす可能性もあります。
戸建てであっても、小さなお子さん、受験を控えたお子さんがいらっしゃったり、同居者が在宅ワークをされているような場合、「うるさい、邪魔!!」と一蹴される可能性がありますよね。
居住空間以外にローラー専用部屋を用意できるなど、よほど恵まれた環境を構築できない限り、静音性を無視することは不可能ではないかと思います。
静音性の優れたローラー台を、と考えると、おのずとダイレクトドライブ式を選択することになる可能性が高いです。
ダイレクトドライブ式ローラーの代表格であるTACX NEOやWahoo Kickr Smartの静音性は、非常に優秀で、ローラー台から発生する音はほぼ皆無です。
1番大きな音が鳴るのは、変速時のガチャガチャという音とアウターからインナーに落とす際の衝撃であり、それ以外の時は、チェーンの音しか聞こえません。
どれぐらいの音がするのか知りたい方は、こちらのYouTubeの動画が分かりやすかったので、参考にしてみてください。
KICKR SMART 2018とTACX NEOの静かさが、よく分かると思います。
ちなみに、私が選んだXplova NOZAは、KICKR SMART 2018と同じぐらいの静粛性能ではないかと思います。
タイヤドライブ式のローラー台にも比較的静かな製品が存在しますが、ダイレクトドライブ式には負けますし、その静粛性能が価格にも反映されるため、ダイレクトドライブ式との価格差はかなり縮まり、コスト面での優位性が下がってしまいます。
ちなみに、9万円近くするタイヤドライブ式ローラーのTACX Bushidoで、これぐらいの音がします。
一般的なローラー台に比べるとかなり静かだとは思いますが、子供が寝静まってから使えるかというと首をかしげてしまいます。
私は、Wahoo Kickr Coreの甲高いモーター音ですら気になりましたので、タイヤドライブ式は静粛性能の面で、厳しいような気がします。
Xplova NOZAの静粛性能は、すべてのローラーの中でもトップクラスだと思います。
こちらの動画が、普通に3倍ぐらいで回している時の音です。
で、こちらが奥さん曰く、9倍で踏んでる時の音。
最後に、ハイケイデンスで回している時の音。
いずれも、チェーンの摩擦音がうるさく感じるレベルであり、NOZA自体の駆動音は静かだということが分かっていただけるかと思います。
固定ローラーか、3本ローラーか
これは、好みが分かれるかもしれません。
純粋な3本ローラーということになると、ダイレクトドライブ式は、検討対象から外れます。
静粛性能の面で、妥協を強いられることになると思います。
ミノウラのAbsorb Roll R820A ぐらいの静粛性能があれば、ワンチャンあるかもしれません。
あとは、もがきたいか否かではないでしょうか。
3本ローラーでフルもがきするのは、かなりのテクニックが必要かと思います。
また、3本ローラーは、常にバランスを取り続ける必要があり、ちょっと気を緩めると落車する可能性があります。
このため、長時間に渡るローラートレーニングを行いたい場合、気疲れしてしまうかもしれません。
ちなみに、私は、3本ローラーであれば10分乗り続けるのが限界です・・・
Zwiftには、レースなどのイベントもあるため、落車を気にせずにゲームとして楽しむのであれば、固定ローラーではないかと思います。
ローラーは、筋力トレーニングの側面が強そうですしね。
ペダリングテクニックなど技術的な面でのスキルアップを狙うのであれば、ローラーではなく、実走の方がよいかと思います。
ロードバイクが固定されてしまい、左右に揺らすことができないため、身体の動かし方が実走とは多少異なる気がします。
Xplova Nozaは、固定ローラーです。
ダイレクトドライブか、タイヤドライブか
静粛性能の項で、既にダイレクトドライブの方がいいよというニュアンスのお話はさせていただきましたが、もう1点、ダイレクトドライブの方が優れている点を挙げます。
それは、以下の2点です。
・タイヤの摩耗がないこと
・ホイールの劣化がないこと
ロードバイクの2大消費パーツ、タイヤとホイールのダメージが全くないのは、大きな利点だと思います。
もちろん、タイヤドライブ式のローラーでも、安いホイール&安いタイヤをローラー専用に購入すれば、最小限のコストで抑えることができるのですが、年間1万kmを走る方であれば、タイヤ3本分ぐらいのコストはかかるかと思います。
ザフィーロあたりだと1,500円ぐらいで購入できると思いますが、年間4,500円程度のランニングコストが発生することになります。
3年継続すれば、13,500円です。
これをどう判断するかは人によると思いますが、この額をNOZAの購入額から差し引くと80,000円程度になります。
「タイヤドライブ式の性能のよいローラー台を購入するのと、大して変わらなくなるのでは?」と、私は思うのですが、どうでしょう?
ここに、5年ぐらいでホイールの購入が必要という条件が付加されれば、ダイレクトドライブ式のローラーを購入した方が、コスト面でも有利になりえるのではないかと思います。
Xplova Nozaは、ダイレクトドライブ式です。
負荷連動機能があるか
ZWIFTを楽しむのに、あったらいいな機能の本命かもしれません。
ZWIFTでは、アップダウンのある仮想コースを走ることになります。
負荷連動機能とは、このアップダウンに合わせて、ローラーから感じる負荷が変動する機能です。
この機能がないと、永遠と同じ重さのペダルを踏み続けることになります。
ギアチェンジもありません。
せっかく、アップダウンのあるコースを走っているというのに、なんと味気ないこと・・・
やはり、勾配10%の登り坂が現れれば、インナーに落として、「やだ、こんな勾配、死んじゃう~、早く終われ~」と思いながら、ぜぇぜぇと息を切らせ、重いペダルを回したいですよね(ですよね!?)
それを叶えてくれるのが、負荷連動機能です。
ZWIFTが、eスポーツになりえるキーとなる機能ですから、どっぷりとZWIFTを楽しもうという方は、負荷連動機能を有するスマートローラーを選択するのがいいかと思います。
Xplova NOZAは、もちろんながら、負荷連動機能がついています。
最大出力、最大シミュレーション傾斜
スマートローラーには、対応可能な最大出力と最大シミュレーション傾斜があります。
最大出力は、よほどのパワースプリンターの方でない限り、上限突破することはないと思いますので、それほど気にする必要はないかと思われます。
最大シミュレーション傾斜については、一部のスマートローラーで、最大傾斜10%程度の製品が存在します。
ZWIFTのコースには、10%を超える傾斜も登場しますので、もう少し急勾配にも対応するスマートローラーを選択する方が、より一層ZWIFTを楽しめるのではないでしょうか。
Xplova NOZAの各性能は以下のとおりです。
最大出力:2,500W
最大シミュレーション傾斜:18%程度
スマートトレーナーの中でも、もっとも対応範囲の広い性能となっています。
パワー測定の精度
ZWIFTには、さまざまなライドイベントやレースも存在します。
インターネット上で、世界中のライダーと競うことも可能です。
その楽しさを十分に味わうためには、パワー測定の精度も重要なポイントになってきます。
ZWIFT内での走力差は、パワーメーターかスマートトレーナーから送信される出力情報を元に再現されます。
その故に、スマートトレーナーのパワー測定性能が低く、パワーが高く出過ぎたり、低く出過ぎたりしてしまうと、公平な競争ができなくなってしまいます。
ハッピーメーターを使用していれば、他の参加者からブーイングがくるかもしれません。
アンハッピーメーターであれば、どれだけがんばっても他の参加者についていけず、おもしろくないでしょう。
ですので、パワー測定の精度は、できるだけ高い方がいいかと思います。
Xplova NOZAのパワー測定精度は、誤差2.5%以内とかなり優秀です。
ちなみにですが、私個人の感覚では、実走時よりもパワーが低めに認識される印象です。
160W(3倍以下)を維持するのがしんどいという事実に、結構ショックを受けました、正直なところ。
ローラー上では、パワーが出にくいだけなのかもしれませんけど。
実走の強さを知っている方のZWIFTのログを拝見しても、意外に平均パワーが低めだったりするので、「そういうものなのかな?」という感じです。
全体的にパワーが低めに出るという話であれば、イコールコンディションでの競争ということになりますので、問題ないのではと思います。
トラブル、不具合が多いか
いざ、スマートローラーを購入しようと決断した時、ふと、気になったのがトラブル、不具合が多いか?という点です。
スマートローラーは、精密機械の部類に入ると思いますし、エントリーアルミロードを購入できるぐらいの高額商品です。
ポンポンと故障されては、かなりつらいです。
ですので、トラブルが多いかの事前チェック、口コミチェックは必須だと思います。
いろいろとインターネット上の情報をチェックしてみると、Wahoo Kickr Smartはトラブルが多めの印象を受けました。
異音系が多そうな感じ。
Tacx Neoは、トラブルは少なそうで好印象。
Xplova NOZAは、トラブルが多そう・・・
特に、2018年12月の発売から数か月は、かなりの数のトラブルが発生していた模様。
PCとの接続不良とACアダプタ故障が多かったみたいですね。
実際、私もACアダプタの故障に遭遇しました。
詳しくは、別の記事にしてアップしようと思いますが、ACアダプタを接続しても電源が入らなかったという内容になります。
幸い、日本のサポート窓口に問い合わせを行い、2日で新しいACアダプタを送っていただきまして、今は正常に使えています。
サポートの担当者様いわく、ファームウェアのアップデートを行ってから使用することで、トラブルを減らすことはできますとのことでした。
実は、この点も評価ポイントではないかと思っていまして、発売から1年以上経過している商品ですので、ファームウェア(プログラム)のアップデートで、かなりの数の不具合が修正されているのではないかという目論見がありました。
私の仕事でパッケージソフトの開発に関わっていますので、不具合発生件数が1番の多いのは発売直後であり、1年以上経過すれば、安定稼働期に移行している可能性が高いということを身をもって経験しています。
実は、2020年5月18日、当記事を書いている2週間後には、Xplova NOZA Sという新商品が発売予定です。
単純に考えれば、新商品の方が性能がよく、そちらを選ぶ方がいいのでは?と考えがちですが、初期トラブルが発生する可能性は高く、不安定な運用を強いられる可能性を危惧し、NOZA Sは見送りました。
実際、どうなるかは神のみぞ知るといったところですが、新商品の購入に関しては、発売日直後は様子見した方がいいのではないかと私は思います。
NOZAに関しては、使い始めて1週間程度ですので、もう少し使ってみてというところはありますので、数か月後に改めて記事にしてみたいと思います。
サポートの対応
いざ、なにかしらのトラブルが起こった場合、サポート窓口に問い合わせることになります。
ですので、サポートの対応の良し悪しも評価のポイントとして重要だと思います。
トラブル対応について記載のあるブログを巡っていると、WahooとTacxは、販売店と代理店と本店との間でたらいまわしにされたという話をいくつか目にしました。
その点、Xplovaは日本の問い合わせ窓口に連絡すれば、すぐに対応してくれる、神対応だという評価を目にしました。
実際、私もACアダプタ故障の件で、Xplovaの日本の問い合わせ窓口に問い合わせメールを送信したら、次の日の営業時間が始まってすぐに返信がきて、その日のうちにACアダプタの発送手続きがされ、その次の日の午前中には、私の手元に新品のACアダプタが届きました。
どの会社も拠点は海外ですので、サポートの対応が煩雑になりがちなイメージがありましたが、Xplovaの対応は素晴らしいと思います。
Xplovaの親会社が、世界的大企業のAcer(世界のPCシェア5位)であることも関係しているかもしれません。
Tacxも、Garminが関係するようになったようですので、対応がよくなるかもしれません。
価格
最終的には、上記9点の評価に対して、いくら払えるかということになるかと思います。
正直なところ、私の中での最有力候補は、Tacx Neo2 Smartだったのですが、いかんせん高い・・・
日本で購入するのであれば、180,000円ぐらいでした。(当記事を書いている時点では、在庫がありません)
ちなみに、新発売予定のTacx Neo 2T Smartも180,000円ぐらいです。
前述のとおり、発売直後の新商品はパスしたいというのが私の考えですので、Tacxは候補から外れました。
Tacx Neo2 Smartが、海外通販のWiggleで100,000円という超破格値で売られていたタイミングで購入していればと激しく後悔・・・
次点がXplova NOZAで、かつ、100,000円を切る96,800円というすさまじい安さ(コスパ的に)でしたので、購入決定という感じです。
ちなみに、Wahoo Kickr Smart 2018は、167,805円と高額であり、上述のとおり、不具合が多そうな点(とくに私が1番のポイントにしていた音に関する異音という不具合なのが気になった)と、日本に在庫が存在しないと思われる状況であり、本国からの出荷になる可能性が高く、新型コロナの影響で配送に不安があったことなど、複数の懸念事項が重なったため、除外しました。
Wahoo Kickr Coreは、124,300円と比較的安めだったのですが、静粛性能に不安を感じていたので候補に入れませんでした。
最後に
ということで、私は、Xplova NOZAに対して不満な点はありませんでした。
いきなり、ACアダプタが使えなかったのは面食らいましたが、すぐに解決できたこととサポート対応がよかったので、むしろ好印象でした。
ZWIFTライフを順調に楽しめていますし、満足です。
外出自粛を求められている中ですので、その対応策として、スマートトレーナー & ZWIFTの導入を検討されてみてはいかがでしょう?
(ほどよい金額の給付金もいただけたことですし)
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