ロードバイクにおける空力(エアロダイナミクス)の重要性について

ロードバイクの速さを決定付ける要素は何か。

 

そんなことを考えたことはあるでしょうか?

 

初心者のうちは、ただただペダルを回すだけで楽しいですよね。

 

距離を乗れば、確実に速くなりますし、遠くまで行けるようになります。

 

そして、さらに速く走れるようになりたい、長時間、長距離を走れるようになりたいと思われる方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、ある程度のレベルに達するとレベルアップの壁みたいなものにぶつかります。

 

順調に成長を感じながらロードバイクを楽しんでいたのに、パタッと走力の向上を感じなくなる日がやってくるのです。

 

ロードバイクを速く走らせるためには、いろいろな技術や知識が必要です。

 

今回は、知識の面にスポットを当て、主に空力(エアロダイナミクス)について解説してみたいと思います。

 

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ロードバイクの速さを決定付ける要素は、推進力と抵抗力

 

難しい話ではありません。

 

推進力-抵抗力

 

非常に単純な話です。

 

前に進もうとする力(推進力)とそれを邪魔する力(抵抗力)の差で、速く進むのか、遅く進むのか、はたまた押し戻されてしまうのかが決定します。

 

では、どうすれば速く走れるのか?

 

1.推進力を大きくする

2.抵抗力を小さくする

 

これだけです。

 

実にシンプル。

 

各々の目的を達するためには、推進力や抵抗力の要素となるものが何かを知る必要があります。

 

では、推進力となる要素にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

推進力になる要素とは?

 

1.人間が発生させるパワー(出力)

2.追い風

3.下り勾配

4.ナニかに前方に押される(ホラーでもない限り、まずありえないですが…)

5.ナニかに前方に引かれる(ニバリェェェ…)

6.メカニカルドーピング(素人がやるか?)

 

4~6はおふざけです、すいません・・・

 

実質はライダーが発生するパワー、追い風、下り坂ぐらいしかありません。

 

2と3は環境依存です。

 

私達ができることは、唯一1のパワーの向上のみです。

 

しかも1を大きくするには筋力を鍛えるしかありません!!

 

どこの筋肉を使うと大きな出力を生み出せるかというテクニカルな面は存在しますが、基本的には筋力がすべてです。

 

では、抵抗力はというと。

 

抵抗力になる要素は?

 

1.転がり抵抗(タイヤやホイールが受ける抵抗)

2.空気抵抗(向かい風含む)

3.ペダリングによる伝達効率不良

4.各機材(駆動系コンポーネント)の駆動抵抗

5.上り勾配

 

以上の5要素かと思います。

 

1と4に関しては、タイヤやインナーチューブ、チェーンやスプロケットなどによい機材を導入し、しっかりとメンテナンスを行うぐらいしか方法がありません。

 

2については、空気抵抗の少ないフレームやホイールの導入で改善することが可能ですね。

 

5は、軽量なフレームやホイール、タイヤを導入することで改善することが可能です。

 

散財カーニバル開幕のにおいが・・・

 

いやいや、それではお金でしか解決できないという身も蓋もない結論になってしまいます。

 

ということで、身体1つで改善できるポイントを挙げます。

 

それは、以下の4つです。

 

1.パワー(出力)を上げる

2.空気抵抗を減らす

3.ペダリングロスを減らす

4.体重を落とす

 

私達、ロードバイク乗りが日々努力し、試行錯誤を重ねているのは、この3つのためなんですね。

 

詳細はというと、書店で膨大な数の書籍が並ぶほど多岐に渡ります。

 

ロードバイク初心者がいきなり全てを詰め込もうとしても、意識するポイントが多くなりすぎてパンクしてしまいますので、私なりに重要だと思うポイントだけ簡単にお話します。

 

推進力を高めるより、抵抗力を減らす方が簡単に速く走れるようになれる

 

多くの方が、速くなるために真っ先に考える事は、筋力アップではないかと思います。

 

推進力を向上することで速く走れるようになろうと試みるわけですが、効果があらわれるまで時間がかかります。

 

筋力、パワーを向上させるのは並大抵の努力では達成できません。

 

そこで、力押しを考えるのではなく、速く走ることを邪魔するものを排除するという発想の転換を行います。

 

抵抗力を減らすことを考えるのです。

 

ロードバイクにおける抵抗力の主役は、空気抵抗

 

特に重要なのは、2.空気抵抗を減らすです。

 

理由は簡単です。

 

抵抗力低減の効果が高いからです。

 

30km/h巡航であれば、抵抗力の内訳は2の空気抵抗が80%、1の転がり抵抗が15%、4の駆動系コンポーネントの内部抵抗が5%となります。(いろいろな要素で比率は変わります。)

 

要は、抵抗力のほとんどは空気抵抗です。

 

ちなみにスピードと空気抵抗の関係はこのようになります。

 

3が空気抵抗です。
ちなみに1が転がり抵抗、2が勾配抵抗、4が総計です。
平坦の場合は、勾配抵抗は0となります。

 

この大きなマイナスの力を減らすことが、速く走るための近道です。

 

具体的な数値で表してみます。

 

40km/h巡行を想定します。

 

必要な出力が300Wとすると

 

抵抗力=必要な推進力=300W

 

【内訳】
空気抵抗=300W×0.8=240W
転がり抵抗=300W×0.15=45W
駆動抵抗=300W×0.05=15W

 

では、以下の2つの抵抗力削減方法ではどちらの方が効果が高いでしょう?

 

1.フォームを改善し、空気抵抗を20%減らす

2.ホイールを替えて、転がり抵抗を20%減らす

 

同じ20%の削減でも、元となる抵抗力の大きさが違いますので、空気抵抗を20%減らすほうが圧倒的に効果が高いことになります。

 

空気抵抗の低減=240W×0.2=48W

転がり抵抗の低減=45W×0.2=9W

 

20万も30万もするホイールを導入しているにも関わらず、空気抵抗削減のためのフォーム改善などは行っていませんというのはナンセンスです。

※あくまで速く走るという点においてだけの話です。カーボンディープのかっこよさは誰もが認めるところです。購入することを否定しているわけではありません。

 

空気抵抗を減らすことが、ロードバイクで速く走る上で重要ということです。

 

空気抵抗を減らすために重要な2つのポイント

 

ポイントは、以下の2点です。

 

・前面投影面積

・エアロフォーム

 

どちらもライディングフォームに関する用語です。

 

ロードバイクにおける空気抵抗の発生源は何かというと人間です。

 

なにせロードバイクの構成物の中で、乗り手が一番大きいですので・・・

 

乗り手の体に空気が当たることで抵抗が発生し、大きなマイナスの力が働きます。

 

空気が当たる表面積のことを前面投影面積と言います。

 

前面投影面積が大きければ、当たる空気の量が増え、空気抵抗が大きくなります。

 

反対に、前面投影面積がせまくなれば、抵抗も小さくなります。

 

では、前面投影面積をせまくするにはどうすればよいか?

 

体を小さく折りたたみましょう。

 

では、折りたたむことが可能なポイントはどこかというと以下の3点です。

 

1.頭

2.胴

3.肘

 

頭を上げ過ぎないためには、顎を引き上目遣いで前を見ること。

 

胴に空気が当たらないように、前傾を強くする。

 

特に、腹筋あたりを湾曲してしまい、大きな空洞を作ってしまうと、その中に空気が巻き込んでしまい大きなロスになります。

 

肘は、外に張らないこと。

 

なるべく胴の内側に格納するイメージで。

 

このようになるべく前面投影面積を少なくするためのフォームをエアロフォームと言います。

 

実際に、向かい風の中で、意識せずにブラケットポジションで乗るのとエアロフォームで乗るのを比較してみてください。

 

巡行速度が、3~5km/hは変わると思います。

 

エアロフォームを有効に使うことで、速さ・疲労度ともに大きく変わってきます。

 

空気抵抗の抵抗力は非常に大きいですので、わずかであっても抵抗力を減らす努力をすることで、楽に速く遠くへ走ることができるようになりますので、意識してみることをおすすめします。

 

空気抵抗に関するおもしろい実験のお話

 

スペシャライズドが行った有名かつおもしろい実験があります。

 

男性がすね毛を剃るのと剃らないので、どれだけ空気抵抗が変わるかという実験が行われたのですが、出力で15Wの差がついたそうです。

 

15Wの出力向上というのは、63kgのライダーが機材10kg、17kmの平坦TTにおいて、30分で走れたところを30秒速く走れる計算です。

 

アベレージにして、1km/hほど速くなるわけです。

 

トレーニングを積むことで、アベレージを1km/h上げるのは、相当に難しいです。

 

私、この半年ぐらいでアベレージ1km/hも上げれてません・・・

 

なのに、すね毛を剃るだけでそんなに速くなれてしまうんです。

 

嘘のようなホントの話です。

 

それぐらい出力を上げるよりも、空気抵抗を減らす方が早く大きな効果を上げれるということです。

 

装備品からの空気抵抗削減アプローチ

 

代表的なものとして、フレームをエアロフレームにするですとか、エアロハンドルバーにすると言ったものがあります。

 

しかし、コストがかかり過ぎます。

 

コストパフォーマンスがよいアイテムをいくつかご紹介したいと思います。

 

低コストで空気抵抗削減が期待できる、シューズカバー

 

 

ビンディングシューズは、ダイレクトに空気を受ける場所になります。

 

なのに、バックルやらなんやらと飛び出ているものが多いです。

 

これに空気が当たり、乱流が発生することで空気抵抗が増大してしまいますので、シューズカバーで覆い隠し、空気の流れをなるべくスムーズにすることで空気抵抗を低減することができます。

 

進化し、軽量化が進んだエアロヘルメット

 

カスク(KASK) PROTONE ホワイト 自転車 ヘルメット

 

ヘルメットも空気がぶつかる場所の代表格です。

 

昔は、タイムトライアルでよく見かけた流線形の後ろに長いヘルメットが有効とされていましたが、現在はKASKのPROTONEやSpecializedのEVADEのような丸形が有利というのが定説です。

 

コンパクトになったので、軽量化も図られており、一石二鳥ですね。

 

エアロジャージ

 

Monton[モントン]長袖ワンピース[ロングスリーブサイクリングスピードスーツ/自転車レース]URBAN GraBlock 取り寄せ品【店頭受取対応商品】

 

ジャージもエアロ形状のものを着用することで、大幅な空気抵抗削減になります。

 

最近話題なのは、サンボルトで作成できるオリジナルエアロワンピースですね。

 

最低でも5セットからの依頼になるので、ロードバイク仲間と相談し、トライしてみるのもいいかもしれません。

 

最後に

 

他にもDHバーの装備やホイールを空力性能の高いものにする、タイヤを空力性能の高いものにするなど、いろいろとやれることはあります。

 

タイヤに関しては、コンチネンタルのGP5000が空力性能が高いといわれています。

 

また、転がり抵抗も低く、高速巡行を実現するのに最適なタイヤと言えるかと思います。

 

 

また、ホイールに関しては、リムハイトの高いホイールが空気抵抗削減に役立ちます。

 

 

興味がある方は、チェックしてみてください。

 

ロードバイクにおける空力の重要性を考え、今一度、改善点が残っていないかを確認し、楽に速く遠くへ走れるように改善していきましょう。

 

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