冬用のインナーウェアが必須の時期がやってきましたね。
ロードバイク乗りのみなさまは、どちらのインナーウェアを愛用されていますでしょうか?
様々なメーカーから、吸汗速乾性が高く、保温性の高いインナーウェアが発売されています。
冬のライドの必需品となる冬用インナーウェアですが、MIZUNOの低価格あったかインナー、ブレスサーモが、なぜ、あんなに薄く空気を通しそうな生地なのに実際に着用すると暖かいのか?と疑問に思ったことはありませんでしょうか?
MIZUNOのブレスサーモを着用したことがない方であれば、UNIQLOのヒートテックを思い浮かべてください。
UNIQLOのヒートテック、MIZUNOのブレスサーモなど、裏起毛を使わず、生地が薄く、でも暖かいという特徴を持ったインナーウェアの共通点は何か?
それが、汗を吸うと発熱するという点です。
このように説明すると、汗をかかないと暖かくならないの?と思われるかもしれません。
もし、そうであるなれば、汗をかくほど運動している時点で、寒くなくなってるやん!!という話ですw
ご心配なさらず。
激しめの運動をしなくてもちゃんと発熱してくれます。
そのメカニズムのキーワードになるのが、不感蒸泄です。
※ロードバイク乗りの大定番、モンベルのジオラインは、また異なるメカニズムで発熱します。
後半で触れてみますね。
ヒートテック等が暖かい理由、不感蒸泄とは?
不感蒸泄とは、読んで字のごとく、自分では感じない体内の水分が外部に蒸発する現象のことです。
発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失をいう。皮膚からの蒸散のみを指すという意見もある。不感蒸泄の量は,条件により大きく変動するが,常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)程度である。発熱,熱傷,過換気状態などで増加する。
引用元:日本救急医学会・医学用語解説集
汗もかかない冬の寒い時期にも喉が渇く理由は、不感蒸泄によって水分が失われているからなんですね。
さすがに、おしっこの水分量だけでは喉が渇くまでには至らないと思いますw
そして、ヒートテックを代表する汗によって発熱するインナーウェアは、この不感蒸泄を利用して発熱し、生地が薄くても暖かいということになります。
上図のとおり、不感蒸泄にて皮膚から蒸発した水分が、ブレスサーモの生地に吸着した際、その運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、発熱します。
不感蒸泄は、1日中起こる生理現象なので、暖かさが持続するわけです。
さらに、ブレスサーモはMIZUNOが開発した特殊繊維により、多くの水分を吸着し、外部へ効率よく発散してくれます。
生地が水分を多く吸着し、外部へ効率よく発散する = 吸汗速乾性がよい
ということになり、ロードバイク乗りと相性のよいインナーウェアということになります。
UNIQLOのヒートテックは、同じ原理ではあるものの、吸着した水分の外部への発散が弱く、渇きずらいため、汗冷えが発生してしまうためにスポーツに不向きと言われてしまうんですね・・・
スポーツ利用を想定しないことで、速乾性を犠牲に1,000円を切る低価格を実現したというところではないでしょうか。
ただ、不感蒸泄レベルの水分であれば、汗冷えが発生するようなこともありません。
日常生活での使用を想定するのであれば、ヒートテックで十分ということです。
汗をかく可能性があるのであれば、ブレスサーモを選択した方がよいでしょう。
私、ブレスサーモエブリを常用していますが、恐ろしいコスパだと常日頃感じています。
暖かい素材の代表格、裏起毛について
ヒートテックが発表されるまでの、暖かい素材の代表的存在だったのが、裏起毛です。
こういう素材ですね。
今でも冬場に大活躍してくれる裏起毛。
私が当記事を書いている現在も、裏起毛素材のスウェットを履いております。
暖かく肌触りがよくて、着用していてあったか幸せでございます。
しかし、汗をかくレベルの運動をする際に着用するかと問われると、着用しないと答えると思います。
というのも、裏起毛は水分を含むとべたついてしまい、着心地が悪くなるんですよね・・・
そして、水分を外部に排出する力も優れているとは言えません。
要は、汗冷えします。
たまに、裏起毛のウェアで吸汗速乾を謳っている商品がありますが、私には信じ難いですね。
私の経験上、裏起毛のウェアで吸汗速乾であった例がありません。
モンベルのジオラインL.W.ぐらいの吸汗速乾性のある裏起毛素材のインナーウェアがあるのであれば、ぜひ、私に教えてください。
即、購入してインプレします。←コウカナインナーハカンベンシテネ
裏起毛について詳しく知りたい方は、こちらのサイトを読んでみてください。
裏起毛とは?裏毛とは?性質の違いと体感気温でスウェットやパーカーを選ぶポイントについて – デイリーライフ
【おまけ】ロードバイク乗りの大定番、モンベルのジオラインL.W.の暖かさの秘密は?
私にとっての冬の絶対的お供、モンベルのジオラインL.W.(ライトウェイト)
暖かく、着心地がよく、軽く、吸汗速乾性も優れ、消臭効果も高い。
私にとっては、神懸っているインナーウェアですが、ジオラインL.W.の暖かさの秘密は別にあります。
モンベルのサイトに掲載されている解説を読むのが1番分かりやすいですね。
引用元:ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ Men’s – mont-bell
繊維に練りこまれているセラミックにより、体から出る熱を再利用して遠赤外線を放出し、体内の水分子を振動させて自己発熱させ、マイクロファイバーによって、暖かい空気をたっぷりと保持しつつ、ストレッチスパン糸を使用し、繊維間に断熱材となる空気層を作ることで保温力を高める。
という内容が掲載されています。
不感蒸泄を利用するのではなく、遠赤外線で体内の自己発熱を促進させて温めているんですね。
そして、冬用インナーウェアの定番文句ですが、暖かい空気を逃がさないように、空気の層を作ると。
引用元:ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ Men’s – mont-bell
そして、マイクロファイバーによる毛細管現象を促進し、吸い上げた汗を広範囲に拡散し、蒸発させることができる面積を広げ、汗の放出を早めるとのこと。
実際、生地を触ってみれば分かりますが、水分をため込むような感じではありません。
そして、汗をかいた後、渇くまでのスピードは裏起毛素材やヒートテックの比ではないです。
速乾性については、簡単なお手製の実験を行ったことがありますので、そちらも参考にしてみてください。
引用元:ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ Men’s – mont-bell
ジオラインの価値あるオプションの1つ、制菌効果も見逃せませんね。
菌の繁殖を抑える抗菌よりも上の、菌を殺傷する制菌効果ですから、においの元となる菌がいなくなるわけで防臭効果が非常に高いです。
自転車通勤で使用していますが、汗臭さを感じたことはなく、重宝しています。
最後に
不感蒸泄を利用したインナーウェアの登場で、スポーツ向きの薄手で軽く暖かいインナーウェアが登場し、私たちロードバイク乗りにとってありがたい環境となりました。
1,000円台で手に入れることができる冬用インナーウェアでは、MIZUNOのブレスサーモが最強のコスパを誇っていると思います。
インナーウェアにそこそこの投資が可能であれば、モンベルのジオラインL.W.が鉄板でしょうね。
ロードバイクの高額パーツに投資するよりも、ウェア類に投資した方が満足度は高いと思います。
安く済ませるのも1つの考え方ではありますが、身に着けるものは妥協せずに、快適性を求めてみてはいかがでしょうか?
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