ロードバイク用途で購入した機能性インナーウェア13着と参考用にヒートテック、ヒートテック超極暖、3枚1,000円ぐらいのお安いタンクトップの速乾性を検証してみました。
前々から気になっていたのですが、どのインナーウェアも吸汗速乾性を謳っているんですけど、実際のところはかなりの差があるなと。
ということで、温度や湿度はまったく同条件の部屋で、水をたっぷり含ませたウェアを洗濯機で5分間脱水し、その後、10分後、30分後、60分後の重量を計測してみました。
もともとのウェアの重量に対しての増加重量(水分重量)と重量を表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
夏用と冬用は分けています。
今回の検証で分かったこと。
・価格と速乾性は比例するとは限らない
・衣服が含んだ水分量と実際に感じる湿り気は一致しない
夏用インナーウェアの重量比較表
比較対象としたウェアは以下のとおりです。
・パールイズミ PEARL IZUMI 111 クールフィットドライノースリーブ アンダーシャツ
・アウトウェット OUTWET LP1
・ファイントラック(finetrack) パワーメッシュ ノースリーブ
・おたふく手袋 ボディータフネス パワーストレッチ ノースリーブクルーネック JW-627
・3着1,000円のそこらへんのタンクトップ
・おたふく手袋 デュアルメッシュ ショートスリーブ JW-601 クルーネックシャツ ←2018年3月7日追加
以下が、重量計測の結果表です。()内の数値は、乾燥時との重量差(水分量)です。
パールイズミ | アウトウェット | パワーメッシュ | パワーストレッチ | 安いタンクトップ | デュアルメッシュ | |
---|---|---|---|---|---|---|
乾燥時 | 53 | 63 | 60 | 84 | 93 | 96 |
5分脱水後 | 68 (15) | 85 (22) | 73 (13) | 103 (19) | 132 (39) | 129(33) |
10分後 | 65 (12) | 83 (20) | 71 (11) | 101 (17) | 131 (38) | 126(30) |
30分後 | 63 (10) | 79 (16) | 68 (8) | 98 (14) | 129 (36) | 121(25) |
60分後 | 59 (6) | 73 (10) | 64 (4) | 94 (10) | 126 (33) | 113(17) |
60分後感覚順位 | 4 | 2 | 1 | 3 | 6 | 5 |
60分後感覚順位は、実際に触ってみて私が感じた湿気が少ない(乾いている)順を表したものです。
すべてにおいてトップだったのは、ファイントラックのパワーメッシュ
重量的にも感覚的にもファイントラックのパワーメッシュが1番優秀でした。
パワーメッシュは、ドライレイヤーですので当然と言えば当然。
ドライレイヤーの意味、レイヤリングの考え方については別記事で解説していますので、そちらをご覧ください。
参考記事:寒い冬に着るべきインナーはこれで決まり!! パワーメッシュ + ジオライン L.W. 【レイヤリング】
洗濯機で脱水した直後の時点で相当乾いており、1時間後には乾いていました。
ベースレイヤーの中では、数値上はパールイズミのクールフィットドライが1番だったが・・・
数値だけ見ると、次に優秀だったのはパールイズミのクールフィットドライ。
だったのですが、1時間後に触ってみての感触はアウトウェットの方が水気を感じませんでした。
アウトウェットの重量増の原因は、残存している水分が生地の厚い部分に集中したことによるものでしょう。
メッシュ部の大部分については乾いており、さらさらの状態でした。
パールイズミのクールフィットドライは、生地全体が若干の湿り気を帯びているような感触。
数値上はアウトウェットより乾いているはずなのですが、肌に触れる部分の広範囲に若干の湿り気を感じてしまうという残念な結果に。
おたふく手袋のパワーストレッチ 冷感 ノースリーブは、表面は湿っているのに内側は乾いている不思議仕様
大体のインナーウェアは、表面(外側)が乾いていて、内側が湿っているパターンがほとんどなのですが、おたふく手袋のパワーストレッチは逆。
肌に触れる内側がさらさらになっていたのは好印象。
含まれていた水分量の推移も、アウトウェットにせまる結果でしたし、1時間で蒸発した水分量も他の高機能インナーと遜色ないレベルです。
これで実売価格が1,000円を切るのは驚異的。
2018年新商品のおたふく手袋のデュアルメッシュは・・・
機能性インナーの中では数字上は悪い結果になりました。
1時間後に触ってみた感覚も、湿り気が残っているなという印象です。
パールイズミのクールメッシュドライの廉価版みたいなイメージですね。
価格が1,500円ほどですので、コストパフォーマンスで考えれば悪くないと思います。
インプレ記事をアップしましたので、参考にどうぞ。
3着1,000円のタンクトップに比べたら雲泥の差
専用品の性能の良さはさすがの一言。
やっすいタンクトップを比較のために投入しましたが、1時間たってもびちょびちょのままで、とても着れたものではありません。
それに比べれば、多少の差はあれど、各社の高機能インナーは優秀。
その中でもコストを考えれば、おたふく手袋のパワーストレッチは目を引くものがありますね。
2018年7月27日追加
夏本番の自転車通勤で各夏用インナーウェアを使用しての実体験に基づく機能性ランキングを作成しました。
追加で記事をアップした理由は、数値と実体の乖離があったたため。
ロードバイクの特性である、常に風を受けている状態が考慮されていないため、速乾性に関して数値と実体の乖離が生じたものと考えております。
ぜひ参考にしてみてください。
冬用インナーウェアの重量比較表
比較対象としたウェアは以下のとおりです。
・モンベル ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ Men’s
・モンベル ジオライン M.W. ラウンドネックシャツ Women’s
・MIZUNO ブレスサーモ エブリ Vネック 長袖シャツ
・おたふく手袋 ボディータフネス 保温 コンプレッション パワーストレッチ 長袖 クルーネックシャツ JW-174
・おたふく手袋 ボディータフネス 防風パワーストレッチ 微細裏起毛 吸汗速乾 スピード消臭 ハイネックシャツ JW-190
・finetrack(ファイントラック) メリノスピンサーモロングスリーブ
・ユニクロ ヒートテッククルーネックT
・ユニクロ ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(9分袖・超極暖)
・Be.Bike BE. メリノウール アウトラスト ベースレイヤー ロングクルーネック 無地 長袖
・3着1,000円のそこらへんのタンクトップ
・おたふく手袋 BTアウトラスト 長袖クルーネックシャツ JW-540 ←2018年3月7日追加
以下が、重量計測の結果表です。()内の数値は、乾燥時との重量差(水分量)です。
まずは上位5着
ジオラインL.W. | ジオラインM.W. | ブレスサーモ エブリ | パワーストレッチ保温 | メリノスピン | |
---|---|---|---|---|---|
乾燥時 | 113 | 111 | 128 | 124 | 162 |
脱水5分後 | 139(26) | 136(25) | 157(29) | 166(42) | 207(45) |
10分後 | 138(25) | 134(23) | 155(27) | 164(40) | 204(42) |
30分後 | 135(22) | 131(20) | 151(23) | 162(38) | 200(38) |
60分後 | 130(17) | 125(14) | 144(16) | 156(32) | 193(31) |
60分後感覚順位 | 1 | 2 | 2 | 5 | 6 |
下位5着
ヒートテック | おたふく防風 | BeBike | ヒートテック超極暖 | 安いタンクトップ | オーバーザファンクション | |
---|---|---|---|---|---|---|
乾燥時 | 108 | 161 | 183 | 309 | 93 | 130 |
脱水5分後 | 147(39) | 228(67) | 243(60) | 420(111) | 132(39) | 167(37) |
10分後 | 145(37) | 226(65) | 241(58) | 416(107) | 131(38) | 162(32) |
30分後 | 142(34) | 223(62) | 238(55) | 413(104) | 129(36) | 156(31) |
60分後 | 137(29) | 215(54) | 232(49) | 406(97) | 126(33) | 148(23) |
60分後感覚順位 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 4 |
上位3着が図抜けた速乾性を示す結果に
夏物に比べると1時間後に残っている水分量が多めではありますが、ジオライン L.W.とジオラインM.W.とブレスサーモ エブリが素晴らしい速乾性を示す結果になりました。
いずれもウインドブレークジャケットを上に着るだけで、気温5℃の環境下でも寒さを凌げるほどの暖かさを実現しているにも関わらず、余計な水分を蒸発させることもできるのは素直にすごい。
特に、ジオラインは「さすがやな、モンベルさん」と、奥さんと感嘆しながら検証を行っていました。
ブレスサーモは、内側を触ると若干の湿り気を感じました。
表面側はさらっと乾いていたんですけどね。
でも、ジオラインとの価格差を考えれば、コスパは非常によろしいです。
価格だけを考えるとファイントラックのメリノスピンが上位に入りそうなものですが、残念ながら速乾性という面においては評価は低め。
ファイントラックが公表しているメリノスピンの使用用途に、サイクリングは入っていないところからも、力の注ぎ所が速乾性ではないということなのでしょう。
どの商品も吸汗速乾性がありますと謳っており、その性能が価格に比例しないという検証結果を考えると、リアルユーザーの声やネット上のレビューを複数確認することの重要性が分かりますね。
おたふく手袋のオーバーザファンクションが健闘
数字上でも1時間後の触った感覚でもトップ3の次に入ってきたのは、おたふく手袋のオーバーザファンクションです。
そもそも気温5℃の中で耐えれるほどの極暖っぷりは備えておらず、同列で語るのはよろしくないのかもしれませんが、気温9℃であれば耐えれるぐらいの暖かさは備えているのでこちらに分類しました。
メッシュ生地ではなく、さらさら系の生地のため、湿り気を帯びていると肌に吸い付くような感覚になる点が気になりますが、大量発汗しなければ問題ないです。
トレーニングレベルになると使用は控えた方がいいかもしれません。
5位以降は、トップ3の倍以上の水分が残る結果に
トップ3以外は、1時間経過後の水分量が倍以上となり、触った感覚でも湿り気を感じるという結果になりました。
おたふく手袋のパワーストレッチ保温は、数値上はあまりよい結果ではありませんでしたが、表面が水分を多く含み、内側はさらっとしているという不思議仕様が再現。
数値よりは、着心地はマシかもしれないという感じ。
(別記事で書きますが、実際の着心地も上記のイメージでした)
そして、意外な健闘を見せたのが、ユニクロのヒートテックです。
「暖かいだけで、汗でべちゃべちゃになるからだめ」の代名詞となるインナーですが、数値上ではおたふく手袋のパワーストレッチと同等の結果を叩き出しました。
数値上はね・・・
実際に触ってみれば、「こんなん着てたら汗冷え確定」ぐらいに濡れている感じです。
やっぱり、汗をかくスポーツには使えないですね、これは。
7位以降は論外なほど水分を含み、乾かない
残念ながら、7位以降の4着はお話になってなかったです。
暖かさに主眼を置き、スポーツ用途として開発してないことは間違いないでしょう。
Be.Bikeのインナーは開発力の問題な気もしますが・・・
ヒートテック極暖の圧倒的水だるま感がすごいですね(笑)
まとめ
速乾性の検証、いかがでしたでしょうか。
大体、前評判のよいインナーが良好な結果を示したように思います。
私が抱いていた所有インナーへの評価と今回の検証結果も大体一致しました。
これで、また1つ、自信をもって「おすすめのインナーはなにですか?」という質問に答えれるようになれたのは収穫。
「私はなんでこんなことをしてるんだろう・・・」とぶつくさ言いつつも協力してくれた奥さんに感謝感謝。
すんませんね、夜の9時から巻き込んでしもて(笑)
ここで、今回の検証の様子を少しばかり公開。
TANITAのキッチンスケールに容器をのせて、そこにインナーを配置して計測。
眼レフで訳の分からないものを撮らされる奥さんの心中、お察し申す・・・
干す→計測→干すを繰り返すのが大変でした。
当記事の内容も踏まえ、各インナーの比較記事を作成したいと思います。
コメント
お疲れ様です(笑)
この干し方だと真ん中が不利なような?
仕事着愛用の夏おたふくは体感的によいと思ってましたが数字みると納得ですね、脱水後すぐ着ても数分で乾きます
冬のあせびえ対策はインナーもですが、効果的に熱&湿気を排出できるアウターも大事ですね
お疲れ様です♪
塩さんがご指摘のとおり、外側に干されているウェアは有利だと思います。
なので、特に有力と思われるウェアは外側に配置しないようにはしてみました(笑)
おたふく手袋の夏用インナーは、実際に使ってみるのが楽しみになる結果を出してくれました。
夏場に使ってみて、着心地や防臭効果あたりも優秀であれば、神懸ったコスパ商品ですね。
冬の汗冷え対策にアウターが重要なのは同意です。
前からは風が入らず、後ろから蒸気がもはもは出てくれるようなアウターが理想ですよね。