【ヴィットリア編】ロードバイクタイヤの空気圧の上下限値について、問い合わせてみた

ロードバイクのタイヤの空気圧について、高めの方がいい、低めの方がいいと様々な見解が世の中に存在します。

 

某JPTレーサーの選手がタイヤの空気圧について、指定空気圧の範囲内に収めるべきだという内容をTwitterでつぶやかれていました。

 

当ブログでも、タイヤの空気圧についての記事が人気化しました。

 

 

我々、ロードバイク乗りにとって、タイヤの空気圧を何BARに設定すべきかという問題は、重大な関心事であることが分かります。

 

上述の人気記事1で話題となった、空気圧を上げすぎると転がり抵抗が増すという新たな事実もあります。

 

人気タイヤメーカーのミシュランが、パワーシリーズの適正空気圧に関する以下のような情報を提供したこともありました。

 

 

昔は、タイヤの空気圧は高い方がよく転がるし、リム打ちパンクにもなりにくくてよいというのが定説だったわけですが、最近は、高すぎるのもよくないということが定説になりつつあります。

 

特にライダーの体重によって、最適な空気圧は異なるということになると、40kg台と軽量なライダーはどうなるの?という疑問が生じます。

 

インピーダンス損失という考え方をベースに最適な空気圧を算出しようとすると、タイヤに設定されている空気圧の下限値を割り込む可能性も考えられますよね。

 

そこで、これはタイヤメーカーに問い合わせてみた方が早いし明確だなと思い、以下のような問い合わせを行ってみたというのが当記事の内容です。

 

問い合わせ内容がこちらです。

 

この度は、ロードバイクのタイヤの空気圧に関する質問があります。
質問内容が多いのですが、ご回答いただければ幸いです。

以下、質問内容です。

1.タイヤに刻印されている空気圧上限を上回る空気圧を入れても問題ないか?

2.タイヤに刻印されている空気圧下限を下回る空気圧でも問題ないか?

3.タイヤに刻印されている空気圧の上限~下限は、どのようなライダー・走行路を想定しての内容か?

4.貴社のオールラウンド(レース)系のフラッグシップモデルのタイヤ(CORSA G+を想定)において、以下の条件下における適正空気圧と考えるBAR数を教えてください。

【共通条件】
・ドライコンディション
・きれいに整備された日本の国道(幹線道路)レベルのアスファルト路面
・平坦路
・車両重量は10kg

上記の共通条件下において、以下の各パターンにおける適正空気圧を教えてください。

①ライダー体重40kg、クリンチャータイヤ、23C
②ライダー体重60kg、クリンチャータイヤ、23C
③ライダー体重80kg、クリンチャータイヤ、23C
④ライダー体重40kg、チューブラータイヤ、23C
⑤ライダー体重60kg、チューブラータイヤ、23C
⑥ライダー体重80kg、チューブラータイヤ、23C
⑦ライダー体重40kg、クリンチャータイヤ、25C
⑧ライダー体重60kg、クリンチャータイヤ、25C
⑨ライダー体重80kg、クリンチャータイヤ、25C
⑩ライダー体重40kg、チューブラータイヤ、25C
⑪ライダー体重60kg、チューブラータイヤ、25C
⑫ライダー体重80kg、チューブラータイヤ、25C

5.4で回答いただきました適正空気圧の定義を教えてください。
例:パンクの可能性がもっとも低い、走行性能が1番引き出せる等

質問内容は以上となります。

タイヤの空気圧については、低い方がいい、高い方がいいと様々な意見が世にあふれており、実際にタイヤを作られている貴社がどうお考えかを聞いてみたく、ご質問させていただきました。

よくある質問の中で、最適な空気圧についての詳細な説明を読ませていただきましたが、体重40kgの女性ライダーが最低空気圧である6Barを下回るのではないかと考えており、最適空気圧と最低空気圧が相容れない状況になった際、どうすればよいかを教えていただきたいです。

お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただければと思います。

以上、よろしくお願いいたします。

 

面倒くさい問い合わせ内容で、窓口担当者に申し訳ないと思いつつ、明確に意図が伝わるようにと質問させていただきました。

 

しかし、この問い合わせに対して、1番早く回答をいただいたのが、Vittoriaの日本法人、ヴィットリアジャパンさんでした。

 

問い合わせした次の日に返信が来たのは驚きです。

 

内容も真摯に回答いただきました。

 

好感度高いですよね、レスポンスが早い企業は。

 

回答は、インラインでいただきました。

 

早速、回答内容をご覧ください。

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ヴィットリアジャパンからの回答内容

 

1.タイヤに刻印されている空気圧上限を上回る空気圧を入れても問題ないか?

2.タイヤに刻印されている空気圧下限を下回る空気圧でも問題ないか?

→タイヤ毎に設定されている空気圧の下限、上限はタイヤの幅やケーシング素材等をもとに設定されています。

上下限の範囲内でのご使用を推奨いたします。

クリンチャーの下限空気圧の場合、ご指摘の様に体重の軽い女性や小中学生がご使用になる場合、タイヤのモデルによっては最適な空気圧が下限を下回る場合がございますが、下限空気圧はそれ以上下げるとビードフックがリムから外れる危険性もあることを考慮しての数値にもなっております

体重の軽いライダーの場合、ケーシングTPI値の高いタイヤを選択されることで、タイヤに設定されている下限空気圧以上でご使用いただく事ができます。

尚、クリンチャータイヤを最大空気圧でご使用される場合、ご使用されるリムの上限空気圧も確認する必要がございます。

特にCORSAの様なハイプレッシャーに対応するタイヤの場合、タイヤの空気圧にリムが耐えられない場合がございます。

 

 

3.タイヤに刻印されている空気圧の上限~下限は、どのようなライダー・走行路を想定しての内容か?

→1.2の回答と重複しますが、空気圧の上下限の設定にはタイヤの幅やケーシング素材等をもとに設定されている為、ライダーや走行路を想定して設定している訳ではございません。

 

 

4.貴社のオールラウンド(レース)系のフラッグシップモデルのタイヤ(CORSA G+を想定)において、以下の条件下における適正空気圧と考えるBAR数を教えてください。

→個人における適正空気圧は多くの要素・好みによって異なってくるため難しいですが、メーカーサイト上でケーシングTPI値、重量(体重+バイク)、タイヤの種類(クリンチャー or チューブラー)、ロードコンディションのデータを元に、おおよその参考値を算出する事が可能です。

算出された空気圧をもとに0.5bar刻みで空気圧の増減をお試しいただき、ご自身の好みに合う様、最終調整をしてください。

 

TIRE PRESSURE(メーカーサイト)

 

Vittoriaは、空気圧の上下限値の範囲内で運用することを推奨という回答

 

タイヤに書かれている上下限値は絶対ということです。

 

教えていただいた最適空気圧算出アプリで、VittoriaのハイエンドクリンチャーであるCORSA G+ を、体重55kg以下のライダーが乗る想定で最適空気圧を求めると、フロント7.5Barにリア7.9Barとかなり高めの設定をおすすめしているようです。

 

そもそも、CORSA G+は高めの空気圧で力を発揮するタイプのタイヤなのでしょうね。

 

体重40kgのライダーを想定し、7.5BARよりも低くなることがあったとしても、最低空気圧である6BARを切ることはないはずですというのが回答ということです。

 

回答内容でへぇ~っと思ったのは、ケーシングTPI値が大きければ大きいほど、空気圧の上下限値に余裕が生まれるということですね。

 

確かに、320TPIのCORSA G+の下限空気圧は6BARなのに対し、220TPIのRUBINO PRO G+ は7BARなんですよね。

 

ケーシングに柔軟性があるからということでしょうか。

 

兎にも角にも、空気圧は上下限値内での運用を推奨ということのようです。

 

ケーシング値ごとに求めてみて分かる、最適空気圧と最低空気圧の矛盾

 

ヴィットリアが提供する最適空気圧を求めるこちらのアプリ。

 

TIRE PRESSURE(メーカーサイト)

 

このアプリが算出する最適空気圧がおもしろくてですね。

 

ケーシング値が低ければ低いほど、最適空気圧も低くなるんですよ。

 

まずは、CORSA G+を想定してケーシング値320TPIで算出してみた結果がこちら。

 

 

7.5BARと高めであり、下限の6BAR以上と問題なし。

 

ケーシング値が220TPIのRUBINO PRO を想定して算出してみた結果がこちらなんですけど。

 

 

6.5BARと1BARほど低めに算出されます。

 

そして、RUBINO PRO G+の空気圧下限値は、7BARなんですよね。

 

いただいた回答内容に当てはめると、最適空気圧は6.5BARだけど最低空気圧は7BARなので、7BARで運用してくださいね、最適ではないですけどということになります。

 

これが、回答でいただいた「体重の軽いライダーの場合、ケーシングTPI値の高いタイヤを選択されることで、タイヤに設定されている下限空気圧以上でご使用いただく事ができます。」の意味ではないかと思います。

 

体重の軽いライダーさんは、ケーシング値と空気圧に敏感になる方がよいのかもしれません。

 

空気圧を下限値以下にすると、タイヤが外れるリスクがある

 

下限空気圧はそれ以上下げるとビードフックがリムから外れる危険性もあることを考慮しての数値にもなっております。

 

かなり重要な情報ですよね。

 

走行中に、タイヤがポーンなんてシャレになりません・・・

 

また、リム打ちパンク(スネークバイトというやつですね)のリスクも増えます。

 

最適空気圧よりも、空気圧下限値を優先しましょう!!

 

空気圧を上限値近くで運用する場合は、リムの上限空気圧も確認要

 

尚、クリンチャータイヤを最大空気圧でご使用される場合、ご使用されるリムの上限空気圧も確認する必要がございます。

特にCORSAの様なハイプレッシャーに対応するタイヤの場合、タイヤの空気圧にリムが耐えられない場合がございます。

 

ということで、重量級ライダーの場合は、最大空気圧である10BARまでタイヤは耐えれるけど、リムが耐えれないという場合があるようです。

 

軽量カーボンホイールをお使いの方は、気にする必要があるかもしれません。

 

リムに注意書きのシールが貼られているかと思います。

 

アルミクリンチャーであれば問題にはならないと思われます。

 

最後に

 

タイヤの空気圧に関する基本的な考え方、いかがでしたでしょうか。

 

タイヤメーカー自身の発信内容ですから、間違いない情報です。

 

某JPT選手が発信していたとおり、空気圧は上下限値内で運用しましょう!!

 

そして、ヴィットリアジャパン様の早急かつ丁寧な対応に本当に感謝です。

 

Vittoriaのおすすめタイヤ、CORSA G+ 2.0を試してみようと思った方は、以下のリンクからどうぞ。

 

 

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