筋力を生かすには柔軟性も必要!!ヒルクライム女子が実践する静的ストレッチについて

ロードバイクで速く走りたい!!と思い、体幹トレーニングや筋トレを始める方もいらっしゃると思います。

 

筋力がないと重いギアを踏めなかったり、とりたいフォームを実現できなかったり、または長時間維持できなかったりします。

 

ですので、ロードバイク乗りにとって重要な筋肉である、大臀筋や腸腰筋、内転筋群、ハムストリングスなどの筋力アップのために筋トレをするのは重要なことだと思います。

 

しかし、せっかく筋力があっても、そのパワーを上手に伝達し、ペダルを通して、ホイールを回す力に変換できなければ意味がありません。

 

そこで、重要になるのが柔軟性です。

 

今回は、奥さんが実際に行っている柔軟体操、静的ストレッチを紹介してみたいと思います。

 

少し前置きが長くなりますが、柔軟性とはなにか?ストレッチにはどのような種類があるのか?に触れてから、実践編へと向かいたいと思います。

 

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身体の柔軟性とは?

 

柔軟性が高い状態とは、関節を大きく動かせる状態のことです。

 

関節は、骨と骨をつなぐ筋肉によって動かしますので、筋肉がスムーズに収縮・弛緩・伸長する状態 = 筋肉が凝り固まっていない状態とも言えます。

 

関節を曲げる場合は、筋肉をぎゅっと収縮することで骨と骨を近づけます。

 

その収縮力が強ければ、筋力があるということです。

 

逆に関節を伸ばす場合は、筋肉は伸ばされ、裏側の筋肉が収縮します。

 

分かりにくいかと思いますので、膝関節の伸展(伸ばすこと)、屈曲(曲げること)を例に挙げてみます。

 

膝を伸ばす・・・大腿四頭筋(主動作筋)が収縮し、ハムストリングス(拮抗筋)が伸ばされる

膝を曲げる・・・大腿四頭筋(拮抗筋)が伸ばされ、ハムストリングス(主動作筋)が収縮する

 

動作によって、主動作筋と拮抗筋は入れ替わります。

 

腕(肘関節)であれば、力こぶを作ったときに、収縮しているのは力こぶの筋肉(主動作筋)、伸びているのは二の腕(拮抗筋)ですね。

 

筋トレは、筋肉の収縮力を強くするために行うものですが、ストレッチは筋肉が拮抗筋として働く場合に、主動作筋を邪魔しないようにしっかりと伸びることができるようにするためのものと言えると思います。

 

では、ストレッチにはどのような種類のものがあるのでしょうか?

 

動的ストレッチ(アクティブストレッチ)と静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を使い分ける

 

ストレッチは、大きく分けて2種類あります。

 

動的ストレッチ(アクティブストレッチ)と静的ストレッチ(スタティックストレッチ)です。

※アクティブストレッチは、ダイナミックストレッチとも呼びます。

 

静的ストレッチは、息を吐きながら、勢いをつけずに、ゆっくりゆっくりと柔軟性を向上させたい筋肉を伸ばしていくストレッチです。

 

ストレッチと聞いて大半の人がイメージするのは、この静的ストレッチかと思います。

 

静的ストレッチは、柔軟性の向上 = 関節の可動域の限界値を引き上げるのに適しています。

 

1点、注意しなければいけないのが、静的ストレッチを行った直後は、パフォーマンスが低下するという点です。

 

これは、筋肉が比較的長い時間(30秒以上の継続的ストレッチング)、引き伸ばされることにより、筋肉の収縮力が一時的に低下するのが原因のようで、界隈では常識なんだとか。

 

ですので、運動や筋トレ前の準備運動に静的ストレッチを行うのは避けた方がよさそうです。

 

では、準備運動に適したストレッチは何か?というと、動的ストレッチです。

 

動的ストレッチは、ダイナミックに関節を動かして、身体を温め、関節の可動域をその時点の限界値近くまで動かせるようにスイッチを入れるようなストレッチです。

 

パフォーマンス向上と怪我の予防に寄与します。

 

具体的には、肩をぐるぐると大きく回す(肩関節)ですとか、足を前後に大きく振る(股関節)などの運動です。

 

ラジオ体操は、動的ストレッチの集合体だったりします。

 

ですので、柔軟性の向上 = 可動域の限界値を引き上げることを目的としていないので、恒常的な柔軟性向上には向いていません。

 

以上のことから、ストレッチの使い分けとして

 

動的ストレッチ・・・運動、筋トレ前の準備運動として

静的ストレッチ・・・風呂上りの柔軟性向上ストレッチングとして

 

といったところでしょうか。

 

バリスティックストレッチは、避けた方がよさそうです・・・

 

ちなみに、私が小学生の頃、グッグッとかなりの勢いをつけて前屈をしていた記憶があります。

 

このような、可動域の限界値を超えるようなダイナミックなストレッチをバリスティックストレッチと呼び、現在では御法度になっているそうです。

 

筋肉には、伸張反射という防御反応をとる仕組みが備わっています。

 

筋肉が瞬時に急激に引き伸ばされそうになると、伸ばされ過ぎて筋線維が破壊されないように収縮します。

 

居眠りをしてしまった時など、身体が前に倒れようとした際、ビクッとなって身体が勝手に起き上がる動作をとります。

 

これは、身体が前に曲がり倒れていくことで、背中側の筋肉が急激に伸ばされ、その防御反応として一気に収縮するからです。

 

バリスティックストレッチは、筋肉を勢いをつけて伸ばそうとする特性上、伸張反射を起こしてしまいやすいため、筋肉を伸ばそうとしているのに、逆に収縮してしまい、逆効果になってしまうそうです。

 

ですので、伸張反射が起こらないようにストレッチを行わないと意味がありません。

 

故に、ゆっくりと筋肉を伸ばしていく静的ストレッチが柔軟性向上に向いているということになります。

 

それでは、各部位ごとのストレッチ実践編に移りたいと思います。

 

大臀筋のストレッチ 難易度:★

 

まずは、ロードバイク乗りがもっとも酷使するであろう大臀筋のストレッチから。

(大臀筋は股関節を伸展させる際の主動作筋になるため、股関節でペダリングができている人は大臀筋を酷使しているはずです・・・)

 

ポイントは、以下のとおり。

 

・片膝立ちになり、立てている膝を外側に約90度倒し、もう片足は後ろに伸ばす。
※その体勢できつい場合は手を付いてその状態をキープ。または、曲げている足をお腹側に寄せてもOK。

・余裕がある場合は、上体を前に倒していく

・最終的には寝そべる感じに

・30秒ほどキープ

※伸ばしている間は呼吸を意識する(吐くことを特に意識する)

 

実演写真はこちら。

 

立てた右膝を外側に90度倒すところです。

 

奥さんも90度曲げた状態で行うのはかなりきついらしく、お腹側に曲げている足を寄せています。

 

そして、ペタンと。

 

上から撮影。

 

膝を曲げた方の足の大臀筋がギューッと伸びるのを感じることができると思います。

 

大腿四頭筋のストレッチ 難易度:★★★★★

 

大きな出力を出す際に使う大腿四頭筋のストレッチです。

 

正直、私はこの体勢とれませんでした、奥さん、すごい・・・

 

ポイントは、以下のとおりです。

・両足を正座するように膝を曲げる

・後ろに身体を倒す

・30秒キープ

 

実演写真はこちら。

 

正座からの・・・

 

そのまま、上体を後ろに倒します。

 

大腿四頭筋、腿の前側が、ギューッと伸びるのを感じることができると思います。

 

このストレッチ、そもそもできないんじゃ?と思うのは私だけでしょうか・・・

 

男性で遂行できる猛者、ご報告お待ちしております。

 

ハムストリングスなどの股関節周りのストレッチ 難易度:★★★★

 

座位での前屈、開脚しての前屈、側屈です。

 

ハムストリングスや内転筋群、股関節周りや体幹周りの筋肉のストレッチに効くと思います。

 

各ポイントと実演写真は、以下のとおり。

 

閉脚

 

・足を閉じ、上体を前に倒す(30秒キープ)

・骨盤が後傾しないように注意

・膝裏が浮いてもいいので、骨盤を立てること

 

 

開脚

 

・可能な範囲でいいので、脚を開く

・前に倒す(30秒キープ)

・左右に倒す(それぞれ30秒キープ)

※左右に完全に倒すことができる人(物足りない人)は両脚の下に丸めた布団等を置くとさらに伸ばすことができるようになります。

 

開脚での前屈(若干ちょけておりますが・・・)

 

開脚での側屈。

 

いずれも、骨盤を後傾させないように注意した方が、ストレッチの効果が高まると思います。

 

私の場合は、背中側の筋肉の硬さゆえか、骨盤を後傾しないように座位になることすら難しかったです。

 

そこからさらに前屈しようとした際、お腹の中で引っかかりを感じたので、腸腰筋あたりの柔軟性も関係しているかもしれません。

 

それとも、腹直筋や腹斜筋(いわゆる腹筋)が邪魔していたんだろうか・・・

 

定かではありませんが、前屈はさまざまな筋肉、関節の柔軟性が求められますので、上手にできないときは、どこにひっかかりを感じるのかを確認しながら行い、該当部位に特化した柔軟性向上のためのストレッチに取り組むのもよいかと思います。

 

両足の裏をつけての前屈 難易度:★★

 

こちらも股関節周りの大臀筋や内転筋群を伸ばすためのストレッチです。

 

ポイントは、以下のとおり。

 

・両足の裏を合わせる

・前に倒す(30秒キープ)

・その後、膝を上下に揺らす(20~30回)

 

実演写真は、こちら。

 

前から。膝は、もう少し接地するように開いた方がいいです。

 

上から。

 

不思議なことに、私はこのストレッチだけそこそここなせたりします。

 

前屈はまったくダメなんですけどね。

 

大臀筋は柔軟性がマシで、ハムストリングスが固いんでしょうね、きっと。

 

ストレッチ前にフォームローラーで筋肉をほぐす

 

フォームローラーを使い、身体の全体をほぐすといいみたいです。

 

フォームローラーというのは、こういうのです。

 

 

ライド後などに、筋肉痛による痛みを感じる間は、重点的に痛みを感じる箇所をほぐします。

 

奥さんの場合は、ヒルクライムTTの直後に、ハムストリングス・腰・膝裏に違和感を感じることがあるらしいのですが、その時は、フォームローラーで痛みを感じる部分を痛みが消えるまでほぐしているとのこと。(大体5~10分程度)

 

ほぐしが甘いと翌日に足が重たくなったり筋肉痛が酷くなることが多いようです。

 

体勢を工夫すれば、肩や腰・足など、ほぼ全身の筋肉をほぐすことが可能です。

 

ちなみに、フォームローラーは筋膜リリースと共に紹介されることが多いですが、筋膜リリースの原理にいまいちピンとくるところはない気がします。

 

完全に私見レベルですが・・・

 

筋膜は、筋肉繊維の束を覆うような形で存在し、筋肉と連動して働くものだと思いますので、連動するもの同士の癒着を解消するというのがイメージしづらいです。

 

フォームローラーは、筋膜リリースのためではなく、筋肉のマッサージ、血行促進、こりをほぐすために使うものという認識でいいのではないかと思います。

 

まとめ

 

・柔軟性の向上 = 関節の可動域拡大 = 筋肉がしっかり伸びる

・柔軟性の向上は、風呂上りなど運動後の静的ストレッチが有効

・運動前の静的ストレッチは、パフォーマンス低下を招き、怪我のリスクも増えるため避ける

 

関節を大きく動かせるようになるということが重要なポイントです。

 

それを念頭に置き、静的ストレッチを行ってみてください。

 

ロードバイク乗り的に、1番気になる関節は股関節かと思います。

 

興味が湧いた方は、私も読み進めているところなのですが、股関節の可動域を上げるための様々なアプローチをまとめたこちらの書籍を読んでみてください。

 

 

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