【ロードバイク】クリンチャータイヤ用インナーチューブの種類について

ロードバイクを初めて購入した際、完成車に装着されているのはクリンチャータイヤであることがほとんどです。

 

クリンチャータイヤは、タイヤとインナーチューブが分かれた構造になっており、パンクした際、インナーチューブだけを交換するだけでパンク修理が完了できる可能性もあり便利です。

 

そして、もう1つの利点が、タイヤはそのまま変更せずインナーチューブだけをアップグレードし、簡単に軽量化を図れることです。

 

ロードバイクは、パーツのアップグレードによる走行性能・快適性の向上を感じることも楽しみの1つです。

 

インナーチューブの交換は、1番お金をかけずに行えるアップグレードの1つです。

 

インナーチューブにはどのような種類が存在するのか?

 

各々のメリット・デメリットは何か?

 

各種類のおすすめインナーチューブとともに解説したいと思います。

 

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代表的なインナーチューブの種類は、ブチルとラテックス

 

代表的なインナーチューブの種類は、以下の2つです。

 

1.ブチルチューブ

2.ラテックスチューブ

 

ブチル、ラテックスともにゴム素材の名称です。

 

ざっくり説明すると、ブチルは人工物、ラテックスは天然物です。

 

なんとなく、ブチルの方が安価でありふれていて、ラテックスの方が高価でマイナーな感じが伝わるかと思いますが、まさにそのとおりです。

 

コストは気にせず、走行性能・乗り心地を優先するならラテックスチューブ。

 

耐久性重視、空気入れの回数を減らし、運用を楽にしつつ、コストを抑えたいという方はブチルチューブを選択するのがよいのではないかと思います。

 

ブチルチューブの中でも、耐久性を犠牲にし、ゴムを薄く加工することで軽量化したタイプのチューブもありますので、走行性能の向上を狙いたい方は、軽量モデルを選択するのも1つです。

 

ブチルチューブの特徴やメリットについて

 

先述したとおり、ブチルチューブは石油から化学合成で作られたゴムでつくられたインナーチューブです。

 

粒子の密度が濃く、空気がチューブ外に逃げにくいという特徴があります。

 

私の感覚では、1週間で1Barぐらいの空気の抜けで抑えることができます。

※ラテックスは、1日で1Barぐらいの空気が抜けます・・・

 

1週間で1Barですから、空気を入れる際に多めに入れておくことで、2週間ぐらいは空気入れが必要なくなります。

 

毎日、自転車通勤・通学をされるような方には適していると思います。

※個人的には、毎回、乗車前に空気を入れ、タイヤの状態をチェックした方がよいとは思いますが・・・

 

また、ブチルチューブはラテックスチューブよりも耐熱性に優れます。

 

ロードバイク初心者向けの情報ではありませんが、軽量ですが放熱性の低いカーボンクリンチャーホイールに使えるのはブチルチューブのみとされています。

 

カーボンクリンチャーホイールを使用される方は、ラテックスチューブは使用できないということを頭の片隅に覚えておいてください。

※ただし、ディスクブレーキ仕様の場合はその限りではありません。

 

最後に、ラテックスチューブに対して優れている点は、安価であることだと思います。

 

スタンダードタイプのブチルチューブであれば、1本あたり800円から1,000円ぐらいで購入できます。

 

ラテックスチューブは、1本あたり2,000円を超えます。

 

コストの面では、圧倒的にブチルチューブが有利です。

 

ラテックスチューブの特徴やメリットについて

 

先述したとおり、ラテックスチューブは天然ゴムでつくられたインナーチューブです。

 

よく伸び、反発弾性もいいことから薄く作ることができるため、軽量であるというメリットがあります。

 

また、柔軟性に富んでいるので、走行中の形状変化に柔軟に対応でき、転がり抵抗がよくスピードが出しやすいです。

 

さらに、ブチルチューブと比較して、乗り心地がいいです。

 

ブチルチューブからラテックスチューブに変更した際に感じる乗り心地のよさは、感動すら覚えるレベルです。

 

私は、ラテックスチューブを愛用しているのですが、その理由の9割が、この乗り心地のよさです。

 

ロングライドを気持ちよく走りたいという方、レースで結果を求める方に適しているのではないかと思います。

 

しかし、いいことばかりではありません。

 

ラテックスチューブは、粒子の密度が薄いため空気が逃げやすいという特徴があります。

 

先にも書きましたが、1日1Barずつ空気が抜けていきます。

 

ライド前の空気入れが必須になりますので、運用に手間がかかるのはデメリットです。

 

あとは、高価なため、手が出しにくいというのもデメリットでしょうか・・・

 

重量に関しては、ブチルチューブの軽量化が著しく大差なくなってきている?

 

ラテックスチューブの優位点の1つである重量に関しては、近年のブチルチューブの進化によって追いつけ追い越せの状況になっているようです。

 

ラテックスチューブの重量は、1本約50g~80gの商品が多いです。

 

画像は、Vittoriaのラテックスチューブ

 

SOYOのラテックスチューブが最軽量で48g。

 

そして、ブチルチューブの最軽量モデルも1本50g台に突入し、肉薄してきています。

 

画像は、コンチネンタルのスーパーソニック

 

ブチルチューブの進化は目を見張るものがあります。

 

ただ、ゴムの柔軟性に劣るブチルを薄く仕上げて軽量化しているため、耐久性は期待できません。

 

ラテックスチューブと比べて、軽量ブチルチューブは、チューブが裂けるケースが多いという印象があります。

 

ヒルクライムレース用に特化したインナーチューブと考えた方がよいかもしれません。

 

ブチルやラテックス以外にも登場している新型インナーチューブ

 

ここ数年で、ブチルでもなく、ラテックスでもない第3のインナーチューブが登場しています。

 

話題になったのが、超軽量インナーチューブのTubolitoのTubo Roadではないかと思います。

 

 

ポリウレタンで作られた新世代インナーチューブの重量は、驚愕の38gです。

 

ブチルチューブ最軽量クラスのスーパーソニックよりも20gも軽いという化け物スペックです。

 

そのかわり、金額も化け物価格の1本4000円超え!!

 

タイヤを買えてしまいますね・・・

 

高価なラテックスチューブと比較しても、倍近い価格設定で目が飛び出ます。

 

そして、悲しいことに耐久性に難があるようで、シェイクダウン時にパンクしたという方を目の当たりにしたことがあります。

 

4000円が数時間で昇天されるのはつらい・・・

 

TubolitoのTuboは、まだまだ改善の余地がありそうです。

 

他にもレボループというポリウレタン製インナーチューブも登場しているようです。

 

 

このような技術革新に、信頼性とコスト面が折り合うとおもしろい時代がやってきそうですね。

 

ロードバイク用ブチルチューブのおすすめ6選

 

標準的なモデルから順に最軽量モデルまでおすすめのブチルチューブを6つ挙げてみたいと思います。

 

【重量級】コンチネンタル Race28

 

コンチネンタルの標準的なインナーチューブ、Race28です。

 

 

重量は100g超えと重量級ですが、その分、耐久性は抜群。

 

価格も1,000円を下回りますので、自転車通勤・通学やローラー練などのトレーニングでの使用がおすすめです。

 

パンク対策のための予備チューブとして携帯するのもよいかもしれません。

 

【CONTINENTAL】(コンチネンタル)RACE 28(700×18-25C) チューブ(自転車)

 

【軽量級】コンチネンタル Race 28 Light

 

パッケージだけ見ると、Race28と見分けがつかないRace28の軽量モデル、Race28 Lightです。

 

重量が82gと約20g軽量化されたミドルグレードのインナーチューブ。

 

 

耐久性と重量をうまくバランスさせたモデルですので、「重ったるい乗り味は嫌だけど、耐久性もそこそこ欲しい」というとがった性能を望まない方におすすめです。

 

1本1,400円程度と価格的にも優しいです。

 

 

【軽量級】パナレーサー R’Air

 

ブチルチューブの中で、もっとも人気があるのではないかと思われるパナレーサーのR’Airです。

 

重量は80g程度と、コンチネンタルのRace28 Lightとほぼ同じ。

 

 

私の感覚では、特段、Race28 Lightと差は感じないのですが、ブチルチューブという種類を飛び出し、R’Airという別枠を確立しているおもしろいインナーチューブです。

 

私もラテックスチューブに移行する前は、R’Airを使用していました。

 

ブチルチューブに比べて(←R’Airもブチルなんですけどね・・・)パンクしやすいという評価が多いのですが、私はそのように感じませんでした。

 

あえて申し上げるなら、チューブのロゴがかっこいいのがいいです。

 

 

【軽量級】MAXXIS ULTRA LIGHTチューブ

 

軽量級インナーチューブの中でも、頭1つ抜けた軽さが魅力なのが、MAXXISのウルトラライトチューブです。

 

重量は、67gと70gを切ります。

 

 

そして、このインナーチューブは、以下の2製品と同製品と噂されています。

 

 

 

時価で、一番安い商品を購入するのがよさそうです。

 

軽快な走り、乗り心地のよさに定評がありますが、軽量ゆえにゴムが薄く、取り扱いには注意が必要です。

 

私は、インプレのためにインナーチューブを3回ほど交換した時点でゴムが裂けてしまい、少々高い買い物になってしまいました・・・

 

タイヤ交換時に挟み込まないように注意する、ライド中のパンク対応用の予備としては使わないなどの注意さえすれば、1,000円程度で購入できるコスパの高いインナーチューブだと思います。

 

【超軽量級】コンチネンタル Race28 Supersonic

 

ヒルクライマー御用達の超軽量インナーチューブ、コンチネンタル Race28 Supersonicです。

 

スーパーソニック、かっこいい響きですね。

 

重量は、57gとブチルチューブの中でも最軽量の部類です。

 

 

ヒルクライマーであれば、タイヤもインナーチューブもスーパーソニックを履き、走ってみたいものです。

 

速さのかわりに、パンク率は高めですので、覚悟はしておきましょう・・・

 

2020年6月2日時点、Amazonと楽天市場では在庫がないようです。

 

海外通販のwiggleで、1,200円という破格値で購入できますので、そちらを検討してみてください。


Continental – Supersonic ロードインナーチューブ

 

wiggleの利用方法については、こちらを参考にどうぞ。

 

 

【超軽量級】ブリヂストン アンカー EXTENZA(エクステンザ) 超軽量チューブ

 

ブチルチューブの中でも、最軽量ではないかと思われます。

 

その重量、わずか52gという超軽量インナーチューブです。

 

 

私は使用した経験がないのですが、超軽量であるにも関わらず、乗り心地はモチモチ系の快適仕様のようです。

 

それでいて、ラテックスチューブ最軽量のSOYOラテックスチューブと同じぐらいの軽さというのは驚異的です。

 

価格は、1本2,000円超えと少々値が張りますが、ホイールのアップグレードにかかる費用を思えば、超ローコストで走りの変化を感じることができますので、1度は試してみていただきたいところです。

 

ロードバイク用ラテックスチューブのおすすめ2選

 

ラテックスチューブを発売しているメーカーはそんなに多くなく、ブチルチューブのように種類も多くありません。

 

おすすめのラテックスチューブを2つだけ挙げてみたいと思います。

 

ヴィットリア ラテックスチューブ

 

 

私が愛用しているラテックスチューブです。

 

先述したとおり、ラテックスチューブの乗り心地のよさと転がり抵抗の低さに魅せられて以来、4年ぐらい使い続けています。

 

重量は、ラテックスチューブの中では重めの79g

 

 

ヒルクライム用にと考えている方には向かないかもしれません。

 

乗り心地の向上を狙いたい方にはおすすめです。

 

また、うれしい誤算だったのが、パンクが少ないです。

 

パンク理由のほとんどは、バルブとゴムの接合部からの空気漏れでした。

 

その原因となったのは、夏の高温になった車内にロードバイクを1時間ほど置いてしまったことではないかと思っています。

 

ラテックスチューブは、高温にさらされ続けるとゴムが溶けてしまいますので、そのケアを怠らなければ、ロングライフでコスト面にも寄与するのではないかと思います。

 

 

さらに、ヴィットリアのラテックスチューブのよいところは、海外通販で安価に手に入るという点です。

 

私に関していえば、1,000円以内でラテックスチューブを手に入れることができるというのは大きかったです。

 

海外通販のProBikeKitで、10個セットで8,000円程度(1個当たり800円程度)という破格値で販売されていることがあります。

 

VITTORIA LATEX ロード インナーチューブ – ProBikeKit

 

たまにチェックしてみると、幸せになれるかもしれません。

 

 

SOYO TYRE ラテックスチューブ

 

ラテックスチューブの中で最軽量なのが、ソーヨータイヤ(SOYO TYRE)のラテックスチューブです。

 

その重量は、驚異の50g切りとなる48g

 

真のラテックスチューブの軽快かつ快適な走りを体感したければ、SOYO TYREのラテックスチューブ以外にないと言われるほどの逸品です。

 

 

超軽量インナーチューブの宿命ですが、ゴムが薄く作られているため、取り扱いには注意が必要です。

 

また、お値段が2,000円を超えてしまうため、常用するのは難しいかもしれません。

 

ヒルクライムレース用の決戦インナーチューブとして使うのがおすすめかと思います。

 

最後に

 

インナーチューブのアップグレードは、乗り心地や転がり抵抗などの走行感の変化を感じやすい割に、安価で行えるという点が魅力です。

 

「インナーチューブを交換したぐらいで、そんなに変わらないでしょ?」という方は、だまされたと思って、超軽量インナーチューブを1度試してみてください。

 

新しい世界を体験することができると思います。

 

最後に、インナーチューブがホイールに固着することがあります。

 

固着防止用のパウダーが発売されていますので、こちらもおすすめしておきます。

 

 

1つ買えば、5年ぐらいはもつと思いますので、そんなに高い買い物でもありません。

 

パウダーをつけるのとつけないのでは、タイヤ交換時のインナーチューブのホイールへの張り付き方が全然違います。

 

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