私が以前から試してみたかった高級タイヤ、ミシュラン。
自動車用タイヤのシェアは、ブリジストンに次ぐ世界2位を誇り、F1にもタイヤ供給をしていた世界的タイヤメーカー。
自転車用タイヤも作り続けており、Pro4サービスクルスV2など以前からグリップがよく転がると評判のタイヤを製造してきたメーカーです。
そのミシュランが、現行のパワーシリーズをリリースしたのが、2016年春。
人気のタイヤ故か、なかなか安く手に入れるチャンスがなかったのですが、ようやくチャンスを掴みまして、フラッグシップモデルであるパワーコンペティションを手に入れることができましたので、早速インプレしてみたいと思います。
率直に申し上げて、素晴らしく気持ちよく走るタイヤでした。
私、コンチのGP4000S2信者ですが、双璧を成すぐらい優秀なハイパフォーマンスタイヤです。
なお、コンチネンタルGP5000が登場した2020年4月現在ですと、GP5000に軍配が上がるかと思います・・・
ミシュランのハイエンドクリンチャータイヤ パワーコンペティション
ミシュランのパワーシリーズは、3種類の展開となっています。
フラッグシップモデルのコンペティション(competition)、耐久性重視のエンデュランス(endurance)、全天候・全環境対応型のオールシーズン(all season)
それぞれ特性が異なります。
ロングライド重視であれば、エンデュランスが適当でしょう。
道が整備されていないところを走る機会が多かったり、雨天でも乗らないといけないのであれば、オールシーズンがよいと思います。
そして、当記事でインプレするコンペティションは、レース向きです。
従来商品よりも35km/h巡航で40kmを走行した際、10wものパワー削減を可能とする低い転がり抵抗と3×180TPIという高い柔軟性が実現するグリップ力のよさは、まさにレース向き。
3,000kmを走行するとタイヤにひびが入るなど、耐久性に問題があるというインプレをよく見かけますが、至高の走行性能とのトレードオフなら仕方ないのではないかとさえ思えます。
今回、タイヤ性能を評価するポイントとして、以下の6点についてインプレしていきたいと思います。
・重量
・転がり抵抗
・グリップ力
・振動吸収性
・耐パンク性能
・耐久性
重量 (☆☆☆☆)
215gと軽量な部類。
対抗馬として挙げられるコンチネンタルのGP4000S2の25Cが225gですので、パワーコンペティションの方がアドバンテージがあります。
ヴィットリアのCORSA G+の25Cにいたっては、250gとかなりの重量差になりますので、相当な性能差があるのではないでしょうか。
これがタイヤを転がした際の気持ちよさにつながっているのではないかと思います。
転がり抵抗 (☆☆☆☆☆)
転がり抵抗を数値で確認するにはこちらのサイトを参照するのが1番。
対抗馬のGP4000S2、CORSA G+ともに12.2Wで横並び、シュワルベワンが12.3Wと僅差の中、パワーコンペティションは脅威の10.9W
人気各社のハイエンドモデルの中では、頭1つ抜けた性能です。
実際に乗ってみての感じ方もそのまま。
GP4000S2と同様、転がり出しの初動から高速域まで全域についてよく転がる印象です。
シュワルベワンは、高速域で少し重く感じ、CORSA G+は、全域で重ったるいです。
心地よくスピードを出したい方であれば、パワーコンペティション一択ではないでしょうか。
GP4000S2を上回るタイヤに巡り合えるとは思ってもみませんでした、正直・・・
ちなみにトレッドパターンはスリックです。
スリックタイヤって、レーシーなイメージがあってかっこいいですよね!!
グリップ力(☆☆☆☆☆)
パワーコンペティションの素晴らしいところは、低い転がり抵抗と高いグリップ力を同居させることに成功したことだと思います。
GP4000S2は、グリップ力不足が少々ネックでした。
GP4000S2は、車体を倒しこんでいく際、タイヤが滑るぎりぎりの感覚が伝わってくることがあります。
それに比べて、パワーコンペティションはしっかりとグリップしてくれているのが分かり、安心感がありました。
コーナーの多いコースでも実力を発揮できるタイヤだと思います。
2018年4月15日に参戦してきたおかやまエンデューロでも、アトウッドコーナーを60km/hで曲がっていく場面がありましたが、しっかりとグリップして怖さはありませんでしたよ。
振動吸収性 (☆☆☆☆☆)
要はタイヤの硬さですが、パワーコンペティションは柔らか目。
180×3(540)TPIというケーシングのきめ細やかさが実現するタイヤの柔軟性は、極上の乗り味を実現してくれます。
本当に乗っていてやわらかいな~というのを実感できるレベルです。
路面の凹凸による突き上げが、マイルドになるのでロングライドをしていても楽ですね。
ちなみに私は、ヴィットリアのラテックスチューブを合わせました。
友人からは、「パワーコンペティション+ラテックスチューブはパンクしまくるよ」とアドバイスされたのですが、500kmほど走行した現時点では問題は起こっていません。
極上の乗り心地を楽しむのであれば、ラテックスチューブを合わせたいですよね。
耐パンク性能 (???)
まだ500kmほどしか走行していませんので、耐パンク性能については未知数です。
ただ、パンクしやすいという話はよく聞きますね。
人柱となって、ラテックスチューブとの組み合わせでの耐パンク試験を行いたいと思いますので、もうしばらくお待ちください。
耐久性 (???)
こちらも耐パンク性能と同じく未知数です。
他の方のインプレでは、3,000km走ったらひび割れが目立ち、走るのが不安になるという内容をよく見かけます。
走行性能にステータスを振ったゆえの弊害かと思いますが、こちらもテストして後、追記したいと思います。
もしも、本当であれば、まさしく決戦タイヤですよね。
空気圧について
推奨空気圧は、73PSI (6BAR) ~ 116PSI (8BAR)
かなり低めの設定になっています。
GP4000S2よりも低めですね。
適正空気圧については、ミシュランが指標を出してくれています。
体重60kgのライダーが、25Cタイヤを使うのであれば、5.5barが推奨のようですね。
7barと6barを試してみたのですが、7barよりも6barの方が気持ちよく転がりました。
インピーダンス損失も関係しているのではないかと思われます。
インピーダンス損失についての詳細はこちらから。
ミシュランのパワーコンペティションは、低圧気味で乗ることで、高いパフォーマンスを実現するということを覚えておいてください。
価格 (☆)
ハイエンドモデルですから、高いです。
定価は7,800円+税
日本での実売価格は、4,900円前後。
GP5000やCORSA G+ とは、同じような価格設定か、もしくは少し高めです。
他のタイヤと同様に、海外通販であれば、3,000円台で購入することができます。
2020年4月現在、ミシュランのパワーシリーズには新作が登場していますので、だいぶ安く手に入る状況です。
まとめ
正直なところ、GP4000S2を超えるタイヤはないと思っていました。
しかし、高価で耐久性、耐パンク性に難ありという評価から、敬遠されているようにも思えるのですが、パフォーマンスは素晴らしいと思います。
ちなみにおかやまエンデューロの前半戦がウエット路面だったのですが、滑ることもなくこなしてくれました。
スリックタイヤなので不安でしたが、うれしい誤算でした。
もし、雨に降られても無理をしなければ問題ないレベルだと思います。
1度は味わってみていただきたい乗り心地ですので、ぜひ、検討されてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、2020年4月現在、パワーシリーズは新作が登場しています。
パワーコンペティションは、パワータイムトライアルとしてリニューアルされていますので、こちらもチェックしてみてください。
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