みなさん、雨の日にマンホールの蓋やグレーチングの上を通る際に、タイヤが滑ってヒヤっとしたことがありませんか?
少ないかもしれませんが、コーナリング中に後輪が横滑りを起こして、落車しかけたという方もいるのではないかと思います。
もしかしたら、落車してしまった方もいるかも・・・
2輪車であるロードバイクは、タイヤがスリップすると落車に繋がることが多いです。
落車は全力で避けたいですよね。
落車を減らすためには、タイヤをスリップさせないことが重要です。
では、タイヤがスリップする原因はなんでしょうか?
速いスピードでコーナリングしたから?
急ブレーキをかけたから??
雨で滑りやすくなっていたから???
どれも正解なようで不正解です。
正解は、タイヤのグリップ力の限界を超えたから。
速いスピードでコーナリングしようが、急ブレーキをかけようが、雨の中を走ろうが、グリップ力の許容範囲内であれば、タイヤがスリップすることはありません。
タイヤのグリップ力、タイヤの使い方を理解することは非常に重要です。
当記事では、タイヤのグリップ力についての考え方、タイヤの使い方について解説していきたいと思います。
タイヤの役割とは何か?
タイヤの役割について考えてみます。
タイヤを装着していない、ホイールだけのロードバイクを想像してみてください。
タイヤがないとまともに進めませんよね。
仮に進めたとしても、まともに止まれなさそうじゃないですか?
左右へ曲がるなんて想像すらできませんよね。
電車がレールなしでは走れないのと同じことです。
では、タイヤを装着したら?
そう、タイヤの役割は、たったの4つだけです。
1.加速
2.減速
3.右への操舵
4.左への操舵
地面からのショック吸収やホイールの保護なども役割に入るのかもしれませんが、それは横に置いておいてくださいw
タイヤを装着すると加減速や操舵ができるのはなぜ?
では、タイヤを装着することで加減速や操舵ができるようになるのはなぜでしょうか?
それは、タイヤ(ゴム)と路面が接することでグリップ力(摩擦力)が発生するからです。
テニスのラケットを握ってスイングするイメージと同じです。
手とラケットの持ち手(グリップ)の間に発生する摩擦力によって、掴む力が発生する=グリップすることで、ラケットを力強くスイングすることができます。
グリップ力のないラケットを力強くスイングするとすっぽ抜けてしまいますよね。
これは、タイヤでいうところのスリップと同じです。
タイヤはグリップ力によって路面を掴み、加減速や操舵を行います。
グリップ力には限界値があり、限界値を超えるとスリップを起こす
さて、加減速や操舵に使うグリップ力ですが、無限の力を持っているわけではありません。
どんなに優れたタイヤであっても、グリップ力には限界値があります。
グリップ力の限界を超えてしまうとタイヤはスリップしてしまうことになります。
加減速に対してスリップを起こすと、加速側ではタイヤが空転して進みづらくなり、減速側ではタイヤがロックし止まりづらくなります。
操舵に対してスリップを起こすと、タイヤが横滑りします。
ロードバイクのような2輪車の場合、上記の現象が起こると落車に繋がりやすく危険ですよね。
極力避けなければならないわけですが、スリップを起こさないようにする=グリップ力の限界を超えないようにするにはどのようにすればよいのでしょう?
加減速と操舵に使う力の総和<グリップ力の限界値 で走行することが重要
グリップするために使う力は、加減速に使う力+操舵に使う力で求められます。
ロードバイクで走行していると、加速しながら曲がることも減速しながら曲がることもありますよね?
ダウンヒルでブレーキングしながら右へコーナリングするのであれば、減速+右への操舵というグリップ力の使い方をしていることになります。
分かりやすいイメージ画像がこちら。
摩擦円という図です。
グリップ力の限界値を表しているのが、円です。
円の内側は、グリップ力の限界内で、タイヤがスリップしない領域です。
円の外側は、グリップ力の限界を超え、タイヤがスリップする領域です。
グリップ力を100とした場合、直進しながらロック寸前のフルブレーキをすれば、減速側に100の力を使ったことになります。
軽くブレーキングをしながら右に曲がるのであれば、右への操舵に50、減速側に20で、合計70の力を使うといった具合に考えてください。
もし、減速側に110を使ったとするなら、限界の100を超えてしまうので、タイヤはスリップし、グリップ力そのものが小さくなってしまい、制動距離がのびることになります。
いわゆる、後輪がロックし止まれない状態ですね。
右に曲がるのに80を使っている状態で、減速に40を使ってしまったとすると、グリップ力の限界値である100を超えてしまい、スリップ(横滑り)を起こしてしまいます。
これが速いスピードでコーナーに突っ込んでしまい、コーナリング中にブレーキをかけてスリップしてしまった状態ということになります。
事故になりやすいパターンとしては、逆の方が多いかもしれません。
減速に80を使ってしまい、右に曲がるのに20しか使えない状況に陥ると、満足に曲がることができなくなります。
これが、曲がり切れずに直進してしまい、ガードレールや対向車とお友達になってしまったという状態です。
以上の事から、加減速+操舵に使うグリップ力が、タイヤのグリップ力の限界値を超えないようにすることが重要であることが分かっていただけたかと思います。
加減速と操舵は極力分けて行うべき
加減速と操舵を同時にこなすのは、非常に難しいです。
私の経験上、加減速のみ、または操舵のみにグリップ力を集中する方が、スリップするぎりぎりの感覚を感知しやすいです。
また、2輪という特性上、操舵にグリップ力を使っている状態でスリップすると、バランスを崩してしまう可能性が非常に高く、落車は避けられないことが多いです。
操舵を行う場合は、可能な限り加減速は行わないようにする方が安全でしょう。
フルブレーキングは直進状態で行うべき
フルブレーキングは、制動力を最大まで引き上げることが重要となります。
グリップ力のすべてを制動力に変換しなければならないということです。
前述の通り、減速に100のグリップ力を使わないといけないわけですから、操舵は一切行うべきではありません。
最短距離で停止するためのフルブレーキングです。
直進状態で行うべきだと思いませんか?
コーナリングにおいてのグリップ力の配分の正解は?
今までの話からすると、操舵に100のグリップ力を使うが正解となりそうですが、それは理論上のお話しです。
この図のFのポイントが一番グリップが高く、速く走れる状態です。
ですが、実走においては、限界ぎりぎりのグリップ力を使いコーナリングするのは危険なのでやめましょう。
少しでも限界を超えれば、落車が確定します。
無理はしないこと。
ギリギリのグリップ力を使うことを考えるのではなく、余裕をもってコーナリングできるようにしましょう。
グリップ力の限界値は、路面状況により刻一刻と変化する
グリップ力の限界値は、タイヤの性能だけで決まるわけではありません。
路面状況や路面の摩擦係数によって、限界値は変わります。
一番身近な状況は、雨が降った時ですね。
雨の日は、同じマシン同じタイヤで同じコーナーを曲がろうとしても晴れの日に比べて滑りやすいです。
これは、雨によって路面の摩擦係数が小さくなり、グリップ力の限界値が低くなってしまったことが原因です。
雨が降っていなくても、砂が浮いているような場所にのれば、グリップ力の限界値が低くなりますし、特殊舗装のアスファルトか一般的な舗装のアスファルトかによっても路面の摩擦係数は変わるでしょう。
路面状況は刻一刻と変わります。
コーナリング中にいきなり砂が浮いている場所があったら?
途中までしか特殊舗装されていなかったら??
60のグリップ力を使ってコーナリングをしていても、摩擦係数が低く、グリップの限界値が50になっている場所を通過する瞬間にタイヤはスリップします。
ですので、視界の悪いコースを状況が分からないままにグリップ力の限界に近いコーナリングをしようとするのはご法度です。
初見のコースは、かなりの余裕を持って走りましょう。
また、初見でなくとも、余裕をもっていける、安全マージンをしっかりととるレベルでコーナリングすることをおすすめします。
グリップ力の限界値に影響を与える要素とは?
タイヤをスリップさせないためには、どのような要素がグリップ力に影響を与えるのかを知り、感覚だけでなく、頭でも大体のイメージができるようにしておくべきです。
グリップ力の限界値に影響を与える要素についてお話します。
グリップするためには、タイヤが地面と接することが大前提
路面の摩擦係数によって、グリップ力が変化するというお話をしました。
ですが、路面の摩擦係数よりも大事なことが1つあります。
それが、タイヤがしっかりと路面に接しているかということ。
タイヤが路面から離れることなんてありえないのでは?と思ったあなた。
タイヤが轍を超える時や段差を超える時に、一瞬、車体が跳ねたことありませんか?
また、路面状況が悪い場所を走った時に、ガタガタと車体が上下に揺れたことありませんか?
車体が跳ねた状態や車体が上下に揺れている状態は、タイヤが路面に接していないのとほぼ同じ状態です。
非常に短い時間で、タイヤがグリップしない状態になっているということです。
では、段差や悪路を走っても、車体が跳ねにくくするにはどうしたらいいかというと
タイヤの空気圧を高圧にし過ぎないことです。
タイヤの空気圧が高いと、よく跳ねることは経験的に理解できるかと思います。
タイヤをしっかりとグリップさせるためには、空気圧を低めにして、タイヤと路面が接する面積を大きくとれるようにし、跳ねてグリップを失うことを防ぐことが重要です。
最適な空気圧は、ライダーの体重によって変わります。
推奨空気圧は、各タイヤメーカーが公表していますので、参考にしましょう。
体重60kgの方が、空気圧6Barで走行した時と9Barで走行した時とでは、グリップ力に差がでますよ。
適正空気圧に関する記事もアップしていますので、こちらも読んでみてください。
余談ですが、雨の日のスリップ原因の1つに、ハイドロプレーニング現象があります。
主に自動車を運転していて、80km/hほどの高速で水たまりなどの水の上を走行した際に発生する現象ですが、ハイドロプレーニング現象によってグリップを失う理由は、タイヤが水の膜の上に乗ってしまい路面から浮いてしまうためです。
タイヤは路面との摩擦でグリップするわけですから、路面から浮いてしまってはスリップは不可避。
タイヤが路面と接することは、摩擦力を得るために重要なんですね。
路面の摩擦係数
こちらは上述の通りです。
タイヤを地面に押さえつける力 (荷重)
ロードバイクでダウンヒルをしている時に、リアブレーキよりフロントブレーキの方がよく効くと感じたことはありませんか?
上級者の中でも、ダウンヒルの前後ブレーキ比率は、前6:後4が理想という考えを持った方がいるほどです。(前5:後5の方も多いですね)
これは、ブレーキング時に荷重移動が起こることが原因です。
平坦よりもダウンヒルの方が顕著に起こります。
荷重とは、タイヤにかかる重さのことです。
1番身近な荷重を感じる場面は、車に乗っている時に急ブレーキをかけた時でしょうか。
車を運転していて、急ブレーキを踏むと車体前方が沈み込みますよね?
これは、荷重移動により、総重量の前輪と後輪にかかるバランスが前輪側に寄るためです。
前輪ではタイヤを地面に押さえつける力が増加(限界値が増大)し、後輪では押さえつける力が減少(限界値が縮小)します。
数値化すると、前輪が120、後輪が80になるようなイメージです。
ですので、フロントタイヤはスリップしにくくなり、通常よりも強くブレーキをかけることができるようになります。
これが、フロントブレーキが効きやすいと感じる理由です。
逆に、リアタイヤはスリップしやすくなりますので、リアブレーキは効きにくいと感じるわけです。
自動車であれば、4輪ということで体勢が安定しており、前荷重を意図的につくることでコーナリングスピードを上げることができるのですが、2輪でサスペンションのないロードバイクについては、自動車ほどの効果はないかもしれません。
むしろ、前輪に荷重がかかることで、ジャックナイフ(前転宙返り)を起こす可能性が高まりますし、ライダーだけ前方に投げ出されてしまうかもしれません。
体勢が不安定になることはマイナスに働きますので、ロードバイクでは前6:後4ぐらいまでが現実的な配分になるのではないかと思います。
そのために、ダウンヒルや急制動時にはサドルの後ろ側に腰を落とすようなイメージで乗る方がよいかと思います。
あと、注意点として前輪は絶対にロックさせないようにしましょう。
後輪がロックするのは、まだ立て直すことが可能ですけど、前輪のロックは一瞬で転びます。
コーナリング中に前輪がロックしたら100%落車しますし、直線を走っていても前輪がロックすると落車する可能性が高いです。
前輪のグリップ力をフルに使うことは考えない方がいいですね。
4輪であれば、1輪のタイヤが破綻しても他の3輪がカバーしてくれますが、2輪はカバーしてくれませんので・・・
タイヤの性能
最後に、上述の摩擦円の円の大きさを広げてしまう方法です。
行うことは単純で、グリップ力の高い高性能タイヤを装着しましょう。
高性能タイヤを装着することで、加減速、左右への操舵のいずれに対してもグリップ力の最大値が増えることになるので、安全性が増します。
ロードバイクのパーツの中でも、安全性の確保に大きく関わるのがタイヤです。
こちらの記事でも解説していますが、ロードバイクを始めてから、なるべく早い時期に高性能タイヤに交換することをおすすめします。
ちなみに私のおすすめの高性能タイヤは、コンチネンタルのGP4000S2とミシュランのパワーコンペティションです。
コンチネンタルのGP4000S2はロングライド向け、ミシュランのパワーコンペティションはレース向けです。
あと、私が使ったことのあるタイヤの中では、シュワルベワンがオールラウンダータイプで悪くなかったです。
特性の差こそあれ、各タイヤメーカーのフラッグシップモデルであれば、必要十分なグリップ力を備えています。
上述の各タイヤについては、インプレ記事を書いていますので、そちらも参考にしてみてください。
まとめ
しっかりとタイヤをグリップさせてコーナリングやブレーキングをするためのポイントについてお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
さまざまな要素がありましたが、重要なポイントをおさらい。
・タイヤは路面と接することでグリップする
・タイヤの空気圧は高過ぎないように!!適正空気圧を意識する
・高性能タイヤを導入し、グリップ力を上げることも重要
走行テクニックに関しては、摩擦円を意識することは非常に重要、かつ、どのような操作を行うべきかの判断に非常に役立ちます。
ぜひ知っておきたい知識ですね。
たまに勾配のきつい坂のヘアピンカーブなどで、タイヤが空転して進まなくなった自動車がさらにアクセルを踏んでいたりしますよね?
ドライバーの意識としては、滑って進まないから、さらにパワーを上げて進むようにしようとアクセルを踏んでいるわけですが、摩擦円の知識があれば、逆効果であることは明白ですよね。
進まないからアクセルを踏むのではなく、アクセルを抜くのが正解。
走行中、摩擦円のどの位置でタイヤを使っているのか?
さらにグリップ力を使える状況なのか?
など、自分が置かれている状況をしっかりと把握することで、操作しても問題にならないことと、事故につながるような問題になることの判断ができるようになるのではないかと思います。
考えたくもないことですが、意を決して自らコケることが最善の策になりえることもあるかもしれません。
そのような究極の選択をせまられる状況にならないためにも、タイヤの使い方を日頃から意識し、未然に危機的状況に陥らないよう考えながら、ロードバイクを楽しみたいものですね。
コメント
あの、ハイサイドって回復した駆動力で起きる物なので、コーナーリング中には駆動力を事実上利用できない自転車では原理的に「ハイサイド」はおきません。
自転車でそれっぽく見える現象があるとすると低速での切れ込み前転や単なるフロントのスリップダウンです。
コメントありがとうございます。
こちらのYoutubeの動画にある落車の仕方もそれっぽく見える現象ということでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=8Q4K9Hrogz0
ハイサイドはあくまでもパワースライド状態(駆動輪の空転による動摩擦でコーナリングフォースとバランスを取る)から急激にグリップを回復させてしまうことで逆操舵状態の前輪を押し出す力が発生するものです。基本的に前輪の接地面を軸に、車体はイン側に傾いたまま「駆動力で」発生します。
動力的にパワースライドはロードバイクの運用上成立しないので、原理的にハイサイド自体発生し得ません。
記事中のオートバイの動画も車体を立てた時点で発生しています。これも単なる切り返しの失敗による切れ込み前転でハイサイドではありません。
返信で上げられたほうはリアロックによるテールスライドから速度が落ちたところでグリップが回復し「後輪の設置部位を軸に」「慣性モーメントで」アウト側にひっくり返っているだけです。ハンドルは切れ込んでいるのでは無く、リアが流れた時点でバランスをとるため無意識に自分で切っているだけです。
これはブレーキターンの失敗と同じ物理現象で、駆動力が前輪を切れ込ませるハイサイドとは全く別物です。
ブレーキターンとパワースライドをある程度コントロールできる経験(要はその過程で両方食らった経験)がなければ上記の二つは外観上区別できないのが普通なので、Youtubeに上げられている「ハイサイド」動画でも、一般の走行映像では大抵ハイサイドではありません。
以下の2:54~あたりは珍しく正しい?ハイサイドです。2:55付近で立ち上がりで少し流れすぎたのをちょっと戻した瞬間に飛んでいます。逆操舵状態もそれと意識しないとわからない程度でも発生します。
https://www.youtube.com/watch?v=SvEhFaRDn58
コメントありがとうございます。
おそらく、「ハイサイド」という言葉の定義についてだけの問題かと思いますが、教えてください。
私がグーグル検索で「ハイサイド バイク」で検索した結果の上位10サイトほどを参照してみたのですが、「後輪の駆動力を発端とする」と定義しているサイトはどこにもありませんでした。
私のハイサイドの定義の認識は以下の通りです。
“後輪がグリップを失い、「なんらかの理由により」後輪が急激にグリップを回復してしまい、後輪が滑っていた方向(バイクの外側)にライダーが飛ばされる現象”
この定義自体が間違っているということなんでしょうか?
今後のための知識として正しいことを知りたいので、ソースとなるリンクなどを含め、コメントいただければ幸いです。
ネットが普及する前からの常識なので明確なソースを求められても困るのですが、
以下の中頃
http://home.kingsoft.jp/news/transport/lrnc/16826048.html
>一概にはいえませんが、たいていの場合はコーナーの立ち上がりの、アクセルをあけている状態で、リアタイヤにパワーがかかり過ぎて滑りはじめた時に発生します。
原義の残渣がこのあたりです。
パワースライド状態からのグリップ回復で何が困るのか、という考察がことごとく省略されているのと、ブレーキターン失敗系や切り返し失敗系まで「あ~、俺ハイサイド食らっちまったわ~」的な勘違い下手自慢で誤用が拡大再生産されているので「一概に」とか「典型的」等のexcuseが付いてしまっていますけどね。その機序としての「駆動力」というタームが出てこないだけの話です。
そもそも自転車とオートバイでは人間と車体の重量比が完全に逆で、オートバイにはさらに駆動力という要素まで加わります。それが「ハイサイド」が起きたときに人間が全くなす術が無い根本的な理由です。例示された/したオートバイの動画の「ハイサイド」はそれに由来しているのでいずれにしてもロードバイクでは起き得ません。
一方、コメント中で挙げられた自転車での転倒状況を自転車業界では「ハイサイド」と呼ぶのであれば、それは自転車業界のローカルタームとして尊重すべきでしょうし、それに無粋な横やりを入れる事自体がモータースポーツとの関わりの方が深い私の無知故なので私のコメントは全て削除して頂いて結構です。
ただ、その「ハイサイド」の例示としては物理現象として機序の異なる記事中のオートバイの動画(特にこれはリアがロックしているわけでも無い)ではなく、コメントで挙げられた自転車の動画の方が適切なのでは無いか、とは思います。
[…] 速く遠くへ - タイヤのグリップ力について ~コーナリングやブレーキングの限界についての理論~ […]
度々申し訳ありませんが、ブレーキターン失敗系、というのはこの動画の終盤3:37~あたりのようなものです。
https://www.youtube.com/watch?v=DnpExI4wxL8
リアがロックしたあとグリップが回復して車体が転回方向と逆に倒れる、という自転車の転倒動画と全く同じ挙動です。これを「ハイサイド」と言うのはモーターサイクル的には完全に誤用です。
ちなみにこの動画はその挙動を利用して車体を起こしてアウト側のサイドスタンドで自立、人間は飛び降り、というネタです。
5分で激落ちマンさん、長文の解説コメントをいただきまして、ありがとうございます。
「ハイサイド」についての解説で、ここまで突っ込んだ解説は検索上位サイトにはなかったので、おそらく正しいことをおっしゃってるんだと思っています。
モーターサイクルに深く関わったことのない私には、正誤の判断はできません。
そして、悲しいかなこのように解説しているサイトがなかなか見つからないということが、どうしても信憑性を揺らがすということだけはご理解いただければと思います。
そのためのソース提示のお願いでした。
私がコメントで添付したロードバイクでのハイサイドという動画も、自転車業界のローカルタームということではなく、前のコメントに記載した私の認識であるハイサイドの定義に照らし合わせれば、ハイサイドと判断できると思ったまでです。
ハイサイドを解説しているサイトも、「モーターバイクおよび自転車で起こることがある事象」と解説しているサイトが多かったですしね。
グーグル等の検索でヒットするサイトが正しくない情報ばかりという認識なのであれば、モーターサイクル業界の方々で、正しい情報をネットの世界に公開すべきなのではないかと思いました。
それこそ、こちらにコメントいただいた内容をそのままご自身のブログ等で公開されたらよいのではと思ったぐらいです。
というぐらい、練られたコメントだと思っています。
消すのはもったいないので、そのまま公開させておいてください。
ロードバイクのハイサイドとして紹介されていた動画と、リンクいただいた動画が同じ挙動というのは分かりやすいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DnpExI4wxL8
テクニックとして、意図してやっているか否かの違いはあるでしょうが、起こっている事象は同じだと思いました。